MBKデジタル、三井物産の株主総会に質疑応答を支援するAIを導入
株式会社MBKデジタルは、株主総会における質疑応答を支援するAIを開発し、2026年6月に開催された三井物産株式会社の株主総会に導入されました。本システムはAIに回答文を生成させるのではなく、想定問答や資料から関連情報を検索・提示する「想起アシスト」として活用されています。「答えを出すAI」ではなく「判断を支えるAI」として、人による最終判断を前提に設計されています。
回答文の生成ではなく「想起アシスト」に特化
株主総会では、質問を受けてから回答を開始するまでのわずかな時間で意図を把握し、必要な情報を確認して回答を組み立てる必要があります。しかし、株主からの質問の趣旨を十分に捉えられないままAIに回答を生成させると、意図しない内容や事実と異なる情報が出力される恐れがあります。
こうした課題に対し、本システムではAIに回答を任せず、役員が自らの言葉で回答を組み立てる際の判断を支援する仕組みを採用しました。質問を入力すると、事前に確認・整備した想定問答や関連資料から関連情報を意味検索して提示します。また、Microsoft WordやMicrosoft Excelで作成された資料を取り込み、文書をブロック単位で処理してQAを生成・選別した上でベクトルデータベースに登録し、質問との意味の近さをもとに横断検索を行います。
平均約1秒の検索で約10秒以内の回答へ
本システムの導入により、質問を入力してから関連情報を検索・提示するまでの平均検索時間は約1秒となっています。質問が複雑な場合でも、限られた時間の中で複数回検索し、複数の候補を比較・選択することが可能です。
これにより、「質問→情報検索→候補選択→役員回答」という一連の流れが支援され、質問から回答までの時間を約10秒以内とすることを目指します。情報を探す時間を短縮することで、回答者が回答内容を組み立てるための時間を確保し、迅速な対応と人による最終判断の両立を支援します。
AIと人の役割を分担する設計思想
本システムでは、AIの役割を情報検索・想起に限定し、最終的な判断と回答は人が担う運用としています。具体的には以下のルールに基づいています。
- AIによる最終回答の自動生成は行わない
- 事前に確認・整備したQAや関連資料を検索対象とする
- 生成・登録されたQAは人が確認する
- 機密情報や未確認情報を回答に利用しない
- 最終的な回答内容の判断・発言は回答者自身が行う

株式会社MBKデジタルは、現場ごとの制約やリスクを踏まえながら「人の判断を支えるAI」の実装に取り組み、正確性や迅速・的確な応対が求められるさまざまな業務においてAI導入を支援していく方針です。
日本マイクロソフトによる評価
日本マイクロソフト株式会社の執行役員 常務 エンタープライズサービス本部長 兼 パートナー事業本部長である浅野 智氏は、本システムがMicrosoft AzureおよびAzure AI Searchを活用し、閉域ネットワーク内でセキュリティとガバナンスを確保しながら平均約1秒での関連情報提示を実現している点に触れ、「責任あるAIの考え方を実務のかたちに落とし込まれた、多くの日本企業にとって示唆に富む取り組みであると考えます」とコメントしています。
株式会社MBKデジタルの概要
- 本社所在地:東京都千代田区内神田2-3-4 S-GATE大手町北 2階
- 代表取締役社長:芹澤 新
- 親会社:三井物産株式会社
- 事業内容:・企業の意思決定をデジタル化するデータ活用企画支援・デジタルマーケティングサービス・独自AI開発・海外AIプロダクトを活用した設計の効率化
- Webサイト:https://www.mbk-digital.co.jp/
本記事は株式会社MBKデジタルの発表をもとに作成されています。
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