商船三井など6社、低圧液化CO₂輸送船の基本設計承認を取得
株式会社商船三井、川崎汽船株式会社、日本郵船株式会社、日本シップヤード株式会社、三菱造船株式会社、株式会社 MILESの6社は、低圧仕様の液化CO₂(LCO₂)輸送船について、一般財団法人日本海事協会(ClassNK)から基本設計承認(Approval in Principle : AiP)を取得しました。LCO₂ハンドリングオペレーションを対象としたリスクアセスメントを経て安全面の設計方針を策定したもので、9月15日にタイ・バンコクで開催されたガステック2026(Gastech 2026)にてAiPの授与式が行われました。
運航知見を融合したリスクアセスメントを実施
今回6社は、標準化を推進している低圧仕様42,000m³クラスLCO₂輸送船を対象に、LCO₂ハンドリングオペレーションに関するリスクアセスメント(Hazard Identification Study:HAZID)を実施しました。プラントやシステムにおける安全性評価手法であるHAZIDを通じ、川崎汽船、商船三井、日本郵船が持つ低温液化ガス輸送船の豊富な運航知見を掛け合わせて低圧LCO₂特有のリスクを検証しています。
この検証を踏まえて策定された安全面に配慮した設計方針が、ClassNK鋼船規則N編に基づく審査を経てAiPの取得に至りました。
標準設計スキームを通じた初の成果
国内で今後順次開始が予定されている各CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)プロジェクトでは、回収したCO₂を貯留地へ輸送する手段としてLCO₂輸送船の需要拡大が見込まれています。
6社は2025年12月1日付で発表した「MILESを活用した液化CO₂輸送船・新燃料船等の標準設計スキームに関する覚書」に基づき、国内での安定的なLCO₂輸送船の建造・供給やCCSバリューチェーンの実現、輸送船の標準化を進めています。今回のAiP取得は、MILESを活用した標準設計スキームを通じた初の具体的な成果であり、42,000m³クラスの船型での取得も初となります。設計を共通化した標準船とすることで、将来的には設計・建造の省力化や効率化により、建造能力の強化に貢献することが期待されています。
脱炭素社会の実現に向けた取り組み

商船三井グループは経営計画「BLUE ACTION 2035」において環境戦略を主要戦略のひとつに位置づけ、「商船三井グループ 環境ビジョン~BLUE ACTION 2035 Phase 2~」で「低・脱炭素事業の拡大」を目標に定めており、今回の取り組みもその一環となります。
CCS事業に関して商船三井は、世界初のフルスケールCCSプロジェクトであるNorthern Lights Project向けに保有を予定しているLCO₂船2隻の長期用船契約を締結しており、2028年頃より同プロジェクト向けのCO₂輸送を開始する予定です。
発表各社の概要
- 株式会社商船三井(社長:田村 城太郎、本社:東京都港区)
- 川崎汽船株式会社(社長:五十嵐 武宣、本社:東京都千代田区)
- 日本郵船株式会社(社長:曽我 貴也、本社:東京都千代田区)
- 日本シップヤード株式会社(社長:檜垣 清志、本社:東京都千代田区、今治造船株式会社とジャパン マリンユナイテッド株式会社の共同営業設計会社)
- 三菱造船株式会社(社長:上田 伸、本社:東京都港区、三菱重工グループ)
- 株式会社 MILES(社長:川角 学、本社:東京都港区、関係各社が出資する共同設計販売会社)
- 一般財団法人日本海事協会(本部:東京都千代田区)
本記事は株式会社商船三井、川崎汽船株式会社、日本郵船株式会社、日本シップヤード株式会社、株式会社 MILES、三菱造船株式会社の発表をもとに作成されています。なお、株式会社 MILESに関する沿革情報は2026年9月時点のデスクリサーチ(自社調べ)に基づきます。
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