名古屋商工会議所調査、業況DI改善も中東情勢によるコスト負担が継続
名古屋商工会議所は、「第58回定期景況調査(2026年7~9月期)」の結果から中東情勢に関する設問を抜粋したレポートを公表した。業況DIはマイナス水準にとどまるものの前回調査時から8.8pt改善した一方、企業活動への「影響あり」とする割合は依然として約7割に上っている。調達停止といった供給面の混乱が緩和する一方で、石油化学由来製品をはじめとする仕入れ価格の上昇によるコスト負担が続いている実態が明らかになった。
業況DIは改善するも約7割の企業に影響が継続

今回の調査において、業況DIは前回調査時から8.8pt改善して▲4.1ptとなった。マイナス水準ではあるものの、前回調査時の予測値である▲26.9ptを大幅に上回る結果となった。

中東情勢に対する影響については、「大きな影響あり」と回答した割合が前回調査より11.3pt減少したほか、「現時点で影響はなく、今後も影響はない」が8.7pt増加した。しかし、「大きな影響あり」と「一部影響がある」を足した「影響あり」の割合は依然として7割程度を占めており、企業活動への影響が継続している。仕入れ・調達面では「調達の停止」が18.3pt減少した一方、「入手可能量の減少」や「納期の遅れ」は依然として約半数の企業で課題となっている。


原材料価格の高騰継続と製造業への影響


石油化学由来の原材料・商品・部品の値上がり幅が「2割以上」と回答した企業は、前回調査からほぼ横ばいの72.6%となり、仕入れ価格の上昇傾向が継続している。

業種別では、前回調査で影響が顕著だった運輸業、製造業、建設業の3業種すべてで「大きな影響がある」との回答が減少した。しかし、製造業では依然として3割が「大きな影響がある」と回答している。中東情勢の緊迫化による影響があると回答した製造業に限ると、石油化学由来の原材料・部品・商品の値上がり幅が「2割以上」と回答した企業は83.8%にのぼり、全体平均の72.6%を上回る結果となった。

価格転嫁の進展とBtoC企業における課題

価格転嫁の状況では、「5割以上価格転嫁できた」と回答した割合が前回調査より13.3pt増加した。一方で、「2割以上5割未満」から「まったく転嫁できていない」と回答した企業も存在し、十分な水準には至っていない。
企業形態別でみると、5割以上転嫁できた割合はBtoB企業が49.3%であったのに対し、一般消費者との取引が中心のBtoC企業では24.8%にとどまった。さらにBtoC企業では「まったく転嫁できていない」割合が27.7%に上り、消費者向け取引における価格転嫁の難しさが浮き彫りとなっている。愛知県の最低賃金が2026年10月1日から55円引き上げられて1,195円となる予定であることも踏まえ、名古屋商工会議所は本調査結果を行政機関等へ情報提供し、適切な価格転嫁などの支援施策につなげていくとしている。

調査概要
- 調査名:第58回定期景況調査(2026年7~9月期)
- 調査期間:8月5日(水)~28日(金)
- 調査方法:インターネット調査
- 回答企業:1,104社
本記事は名古屋商工会議所の発表をもとに作成しています。
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