日本GXグループ、GHG排出量算定ツール「OpenGreenTrack」をオープンソースソフトウェアとして公開 ― Scope 1・2・3 の算定からレポート出力まで、自社環境で運用できる
日本GXグループ、GHG排出量算定・管理ツールOpenGreenTrackを公開

CATEGORY: テクノロジー
カーボンクレジット売買プラットフォーム「日本カーボンクレジット取引所(JCX)」を運営する日本GXグループ株式会社は2026年9月9日、企業向けGHG(温室効果ガス)排出量算定・管理ツール「OpenGreenTrack」を公開しました。全ソースコードがApache License 2.0のオープンソースソフトウェアとして公開されており、ライセンス費用なしで商用利用や改変が可能です。あわせて、導入効果を共同で検証する「共創PoC」の参加企業募集も開始されています。

開発の背景とツールの特徴


サステナビリティ報告の要請が高まる中、GHG算定の現場では活動データの散在や排出係数の根拠の不透明さなどにより、算定作業自体に労力が費やされる課題があります。OpenGreenTrackは、散在する活動データと排出係数をつなぎ、算定根拠の透明性を保ちながら削減の意思決定につなげるツールとして設計されています。


主な想定利用者には、複数拠点の排出量を集約したい企業の環境・サステナビリティ部門や、これからScope 3算定を始める組織、経営企画・管理部門が挙げられています。

なお、Scope 1・2・3はGHGプロトコルにおける排出量の区分であり、自社での直接排出(Scope 1)、購入した電力などに伴う間接排出(Scope 2)、原材料調達や輸送などサプライチェーン全体の排出(Scope 3)を指します。
搭載されている主な画面と機能
OpenGreenTrackには、算定や管理を効率化する以下の機能が備わっています。
- ダッシュボード:総排出量、Scope別の内訳、前年度比、拠点ごとの違いを一画面に集約して表示します。
- データ入力:燃料や電力の活動量を入力すると係数を掛けた排出量が即座に計算され、検索・編集・削除が可能な入力履歴により根拠を辿ることができます。
- Scope分析:Scope 1・2・3の構成比やScope 3の15カテゴリ別内訳、算定方式ごとの根拠を表示します。
- 排出係数管理:国が公表する排出係数データベースとの連携やカスタム係数の設定が可能で、変更履歴(監査ログ)が記録されます。IDEA原単位の取り込みにも対応しています(IDEAのデータ本体は付属せず、利用にはSuMPOとのライセンス契約が別途必要)。
- 拠点管理:各拠点の排出量、稼働状況、データ連携の状態を一覧で把握できます。
- レポート出力:集計結果をPDFやCSV形式で出力できます。
提供形態と共創PoCの募集
提供形態は自社のサーバーやクラウド環境に導入して運用するセルフホスト方式となっており、現時点でSaaS版の提供はありません。ライセンス費用は不要ですが、自社運用のサーバー費用、データベースサービス「Supabase」の利用料、IDEA原単位の契約は別途必要です。本番運用に向けた環境構築やデータ移行などの有償支援も用意されています。
また、サービスサイト上でのデモ公開に加え、導入効果を検証する「共創PoC」の参加企業募集を開始しました。算定境界やデータ収集の設計、自社環境への導入・構築支援、導入前後の作業時間の計測などに対応し、検証済みの定量効果や導入事例は順次公開される方針です。
今後の開発予定
現在は算定基盤(Scope 1・2・3の算定、係数管理、監査ログ)までを提供しており、今後はAIによる請求書からの活動量データ自動入力機能、複数法人・ホールディングス構成への対応、業種別係数やAPIによる外部システム連携、SSBJ・TNFD対応の開示レポートなどの機能拡張が予定されています。

日本GXグループ株式会社の概要
- 会社名: 日本GXグループ株式会社 (Japan GX Group Co., Ltd.)
- 代表者: 共同CEO 吉岡 賢史 / 共同CEO 細目 圭佑
- 所在地: 〒104-0032 東京都中央区八丁堀4-8-1 八丁堀ファーストスクエア 4F
- 設立: 2023年4月14日
- 資本金: 2億3,450万円(資本準備金・新株予約権を含む)
- 事業内容: 日本カーボンクレジット取引所(JCX)の運営、GXコンサルティング事業 ほか
本記事は日本GXグループ株式会社の発表をもとに作成しました。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



