アドベンチャーワールドでコウテイペンギンの有精卵を確認 9月末頃に孵化予定
和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドで、2026年7月23日(木)に産卵されたコウテイペンギンの卵が有精卵であり、卵内の胚が成長していることが確認されました。これまで計3回の検卵が行われており、順調に発育が進めば9月末頃に孵化する予定です。卵を産んだのは、2025年9月30日に誕生した「よよちゃん(E044)」の両親にあたるペアです。

親鳥「パパ」と「ママ」の卵で胚の成長を確認
有精卵が確認されたのは、2026年6月から7月にかけて名前が公募され、8月に名前が決まったオス「パパ(E005)」とメス「ママ(E014)」のペアによる卵です。産卵された卵は親鳥から預かり、孵卵器で温められています。
8月11日、21日、31日の計3回にわたる検卵により、卵の内部で新しい命が宿り、成長していることが確かめられました。検卵は専用の検卵器を用いて暗い環境で行われますが、コウテイペンギンの卵は殻が厚く内部観察が容易ではないため、複数回にわたり慎重に確認が重ねられています。
親鳥のプロフィールは以下の通りです。
- パパ(識別番号 E005):オス、1997年生まれ。生涯を通じて「ママ(E014)」と寄り添っています。
- ママ(識別番号 E014):メス、1997年生まれ。これまでに16羽を産んでいます。
なお、同パークでは今シーズン、自然繁殖と並行して人工授精も実施しており、現在までに計7卵の産卵が確認されています。

アドベンチャーワールドは、2026年9⽉現在、公益社団法⼈⽇本動物園⽔族館協会(JAZA)加盟園館において日本で唯一、10種類470⽻のペンギンが暮らす施設です。1997年からコウテイペンギンの繁殖研究を開始し、2004年には日本初、世界でも2園館目となる赤ちゃんの誕生に成功しました。

初期はスタッフが親代わりとなる「完全人工育雛」を行っていましたが、親鳥自身による自然育雛を目指して孵化後の赤ちゃんを親鳥へ返す「初期人工育雛」へと技術を進化させ、2013年には初めて親鳥からの給餌にも成功しました。2025年に誕生した累計16羽目の繁殖に至るまで研究と実績が重ねられています。
一方で、コウテイペンギンの繁殖は難度が高く、同パークの実績においても産卵された卵が有精卵である確率は約28%、有精卵が孵化に至る確率は約74%にとどまります。
初期育雛用ペンギン覆面の制作者を公募

同パークでは、自然孵化や育雛が困難な場合にスタッフが親代わりに育てる初期人工育雛を実施しています。その際、人間への「刷り込み(人慣れ)」を防ぐためにペンギンの姿を模した「覆面(帽子)」を被って給餌を行いますが、従来のスタッフ手作りの覆面には視界の狭さや通気性の悪さ、リアルな質感の必要性といった課題がありました。
これを受け、動物福祉と保全の現場で活用する「初期育雛用ペンギン覆面」の制作者を広く募集しています。プロ・アマ、個人・法人は問わず、造形や裁縫の技術、素材や構造に関するアイデアを募っています。
地球環境の未来を考えるプロジェクトの推進
絶滅危惧種であるコウテイペンギンは、世界でもアメリカ、中国、日本の3か国のみで飼育されている希少な鳥類です。同パークでは、ペンギンたちが極寒の地で寄り添い命を守り抜く姿から地球環境の未来を考える「38℃ MIRACLE Project」を推進しています。

この取り組みの一環として、2026年夏にはパーク内で暮らす19羽のコウテイペンギンの名前募集が実施され、8月末までにすべての個体の名前が公開されました。自然繁殖の見守りとともに人工授精による繁殖技術の研究にも取り組み、種の未来につながる可能性の探求を続けています。
本記事はアドベンチャーワールドの発表をもとに作成されています。
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