旭硝子財団調査、国内の環境危機1位は気候変動 解決期待で世代間ギャップ
公益財団法人旭硝子財団は、全国の15~69歳の男女1,302名を対象に実施した「第7回 生活者の環境危機意識調査」の結果を発表しました。国内の環境問題で危機的だと思う項目の1位は7年連続で「気候変動」となり、各世代から異常気象を身近に感じる意見が寄せられました。環境問題への危機意識を表す「環境危機時計」は全国平均で「7時3分」を示し、解決への期待度やSDGsの達成度評価において世代による傾向の違いがみられます。
気候変動が7年連続の1位、異常気象を懸念する声が多数
日本国内における環境問題で危機的な状態にあると考える項目として、最も多かったのは「気候変動」(42.9%)で、7年連続の1位となりました。理由としては夏の異常な暑さや線状降水帯などの豪雨を懸念する回答が多く、作物の生育への影響による野菜や米の価格高騰を不安視する声も挙がっています。
2位は「人口」(12.5%)、3位は「社会、経済と環境、政策、施策」(12.4%)となり、昨年から2位と3位が入れ替わりました。一方、「環境問題で危機的に感じることはない」と回答した割合は、Z世代が10.6%、大人世代が10.3%だったのに対し、高校生世代は4.7%にとどまりました。
環境危機時計は全国平均で7時3分、有識者とは約2時間半の差

環境問題への危機意識を0:01~12:00の時刻に例えた「環境危機時計」では、全国平均が昨年より約30分戻り「7時3分」で「かなり不安」を示す結果となりました。世代別では高校生世代が「7時1分」、Z世代が「6時36分」、大人世代が「7時27分」となり、大人世代の危機意識がより高い数値を示しています。
なお、日本の有識者を対象とした本年の調査結果である「9時30分」(極めて不安)と比較すると約2時間半の差がみられるものの、一般生活者も不安を感じている状況が示されています。
SDGs達成度評価と解決への期待で世代間ギャップ


日本国内における現時点の感覚的なSDGs達成度(全目標達成を100%とした評価)は、高校生世代が35.8%、Z世代が34.9%、大人世代が31.3%となり、全国平均は昨年の25.1%から上昇して32.0%でした。2030年に達成度が高いと思う目標の1位は「安全な水とトイレを世界中に」、達成度が低いと思う目標の1位は「貧困をなくそう」となり、「貧困をなくそう」は達成度が高いと思う目標の2位にも入るなど評価が二分しています。


環境問題の解決に向けた枠組みについて、高校生世代の31.3%、Z世代の22.9%が「国連などが中心となって世界全体で話し合い、合意して進める」を選んだのに対し、大人世代の20.0%は「国同士が協力したり、誰かが主導するのは難しい」と回答しました。また、人類の努力によって環境問題が「解決できる」「ある程度解決できると思う」と答えた割合は、高校生世代が51.2%、大人世代が26.6%と約1.9倍の開きが生じています。

調査を監修した慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科の蟹江憲史教授は、若者世代が課題解決への希望を捨てていない点に触れ、「これからの時代を生きる若者たちへの負担を少なくすることに、大人が自覚し、変革を起こす時なのではないでしょうか」とコメントしています。

調査概要
- 調査目的:日本国内の一般生活者の環境問題に対する意識や行動の実態を把握する
- 調査対象:男女1,302名 (高校生世代:15~18歳 211名、Z世代:18~24歳※ 520名、大人世代:25~69歳 571名) ※Z世代は高校生・高専生を除く
- 調査地域:全国
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 調査時期:2026年6月24日(水)~6月26日(金)
- 有効回答数:1,302サンプル
- 調査主体:公益財団法人 旭硝子財団
- 監修:慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 蟹江憲史教授
本記事は公益財団法人旭硝子財団の発表をもとに作成しています。詳細な調査結果は同財団ウェブサイト(https://www.af-info.or.jp)にて公開されています。

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