Newsight Tech AngelsがスペインAptadel社に出資
ライフサイエンス領域のスタートアップ投資を手がける株式会社Newsight Tech Angelsは、小児がんを対象とするアプタマー創薬を行うスペインのAptadel Therapeutics, S.L.に対し、出資を実行した。同社にとってスペイン企業への投資は今回が初めてとなる。
ユーイング肉腫は、骨および軟部組織に発生する希少な小児・若年成人のがんである。標準治療は化学療法・外科手術・放射線治療の組み合わせに限られており、身体的負担が大きく長期の後遺症を残すことが少なくない。患者数が限られるため大手製薬企業が単独で開発に踏み切りにくく、治療選択肢が長年更新されてこなかった課題がある。
2020年にバルセロナで設立されたAptadel Therapeutics, S.L.は、ベルビッチ生物医学研究所(IDIBELL)のOscar Martínez-Tirado教授が率いる肉腫研究グループからのスピンオフ企業である。設立には患者家族による財団(Fundación Alba Pérez)も関与し、バルセロナ科学パーク(PCB)に拠点を置く。
同社は独自のアプタマー薬物複合体(ApDC)基盤技術を有し、腫瘍細胞に高発現するEphA2を標的とするRNAアプタマーを用いて、siRNAやアンチセンス核酸などの治療用分子を選択的に送達する。リード品目のADEL-101は、ユーイング肉腫の発症を駆動する融合遺伝子EWSR1:FLI1を標的とするアプタマー-siRNA複合体で、規制当局向け試験の完了と臨床試験入りを目指している。このほか横紋筋肉腫を対象とするADEL-102などのプログラムも進められている。
拡大するスペインのバイオテック市場
スペインバイオ産業協会(AseBio)が2026年6月に公表したレポートによると、2025年におけるスペインのバイオテック企業による資金調達額は4億800万ユーロとなり、前年の1億8,100万ユーロから125%増と過去最高を更新した。調達件数は前年の52件から59件に増加し、調達額のうち3億200万ユーロは海外投資家が参加した12件によるものであった。バイオテック企業数も前年比10.4%増の1,119社へと拡大している。
なかでもカタルーニャ州は同国のバイオテック企業の約23%を擁し、州内に91の研究機関と1,300社を超えるライフサイエンス企業が集積している。
出資の背景と今後の支援
株式会社Newsight Tech Angelsは、現地カンファレンスへの参加を通じてAptadel Therapeutics, S.L.と接点を持ち、長南 具通氏が案件の発掘から技術評価、経営陣との対話を担当した。同社の技術が他の希少がんへも展開可能な基盤である点や、研究機関・患者団体・企業が一体となった開発体制を確認し出資に至った。
株式会社Newsight Tech AngelsのCEOである瀬尾 亨氏は、スペインには世界水準の研究基盤と事業化のエコシステムが育っていると述べ、同社のApDC基盤が他の希少がんへも展開しうる技術であるとした上で、臨床試験にたどり着くまで伴走していく姿勢を示している。
同社は今後、Aptadel Therapeutics, S.L.が進めるシリーズAラウンドや臨床試験入りに向けた支援を行うとともに、日本およびアジア地域における提携先の探索を進める方針としている。
関係各社の概要
- 株式会社Newsight Tech Angels
所在地:東京都中央区東日本橋2-28-4 代表者:CEO 瀬尾 亨 事業内容:ライフサイエンス領域を中心とするスタートアップへの投資およびハンズオン支援
- Aptadel Therapeutics, S.L.
所在地:スペイン・バルセロナ(バルセロナ科学パークPCB内) 代表者:CEO Gisela Lorente 事業内容:独自のアプタマー薬物複合体(ApDC)基盤を用いた小児がん・希少がん治療薬の研究開発 URL:https://www.aptadeltx.com
本記事は株式会社Newsight Tech Angelsの発表をもとに作成されています。
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