QPS研究所、小型SAR衛星13号機ミクラ-Ⅰの初画像を公開
小型SAR(合成開口レーダー)衛星の開発・製造・運用を手がける株式会社QPS研究所は、2026年9月1日、小型SAR衛星QPS-SAR13号機「ミクラ-Ⅰ」の初画像(ファーストライト)として取得した試験観測画像を公開した。
同衛星は、北部九州を中心とした全国25社以上のパートナー企業とともに開発・製造された。2026年8月6日に打ち上げられた後、アンテナ展開や機器調整を経て、8月28日より観測が開始されていた。

打ち上げから初期運用の経過
QPS-SAR13号機「ミクラ-Ⅰ」は、日本時間2026年8月6日18時18分、米国ロケット・ラボ社のロケット「Electron」(ミッションネーム:The Grain Goddess Provides)によって打ち上げられた。
打ち上げから約50分後に衛星分離に成功し、その約30分後に初交信を完了した。翌日の昼には収納型アンテナを展開し、衛星機器の調整を継続したのち、試験観測画像の取得に至った。
公開された観測画像の詳細
QPS-SARは、分解能1.8メートルの通常モード(ストリップマップモード)と、分解能46センチの高精細モード(スポットライトモード)での観測が可能となっている。今回公開された試験観測画像の詳細は以下の通りである。

- オーストラリア パース:2026年8月28日11時13分(現地時間)観測、天候は晴れ。アジマス分解能46センチ×レンジ分解能52センチ。フリーマントルの街並みやスワン川、ボートハーバーを観測。
- 京都府 京都市:2026年8月29日22時40分(日本時間)観測、天候はくもり。アジマス分解能46センチ×レンジ分解能66センチ。京都御苑や鴨川デルタ、左大文字山、金閣寺・銀閣寺・京都大学キャンパスエリアなどを観測。
- トルコ カッパドキア:2026年8月30日4時07分(現地時間)観測、天候はくもり。アジマス分解能46センチ×レンジ分解能40センチ。世界遺産ギョレメ歴史国立公園一帯の地形を観測。

画像の処理にはアルウェットテクノロジー株式会社が協力した。なお、SAR(合成開口レーダー)は電波を使用して地表の画像を得るため、雲や噴煙を透過し昼夜を問わず観測できる特長を持つ。また、アジマスは衛星の進行方向、レンジは衛星のマイクロ波を照射する方向(進行と直交する方向、グランドレンジ)を指す。



衛星コンステレーション構築に向けた展望

QPS研究所の代表取締役社長 CEOである大西俊輔氏は、初期運用フェーズをクリアしたことについてエンジニアチームやパートナー企業への感謝を述べたうえで、36機を大幅に超える大規模コンステレーション(複数の人工衛星の協業による観測システム)の構築に向けて製造体制を整え、2028年以降に衛星の打ち上げスピードを引き上げていく方針を示している。


同社が開発したQPS-SARは、特許を取得した軽量かつ大型の展開式アンテナを採用しており、従来のSAR衛星と比較して質量を20分の1、コストを100分の1に抑えつつ、民間SAR衛星として世界トップレベルの46センチ分解能を実現している。同社は2028年5月末までに24機、2030年にはさらなる機数を投入し、平均10分間隔で準リアルタイム観測データを提供するサービスの実現を目指している。
QPS研究所の概要
- 社名:株式会社QPS研究所
- 本社所在地:福岡市中央区長浜1-1-1 KBCビル8階
- 代表者:代表取締役社長 CEO 大西俊輔
- 創業:2005年6月
- 事業内容:人工衛星、人工衛星搭載機器、精密機器、電子機器並びにソフトウエアの研究開発、設計、製造、販売
本記事は株式会社QPS研究所の発表をもとに作成。
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