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ispace欧州法人とESA、月探査計画MAGPIEのフェーズ2契約調印式を実施

株式会社ispaceの欧州法人であるispace-EUROPE S.A.は、欧州宇宙機関(ESA)とともに、月面探査計画「MAGPIE(先端地球物理学および極域氷探査ミッション)」のフェーズ2契約締結に伴う調印式を実施した。調印式はデンマーク・コペンハーゲンで開催された「ESA Space for Inspiration 2026」にて執り行われた。本契約は2026年7月にESAから授与された総額6,500万ユーロ(約120億円)に基づくもので、ローバー開発から月面運用、科学データの提供までの一連の活動が含まれている。

2029年のミッション4で欧州初の本格的な月極域探査へ

MAGPIEは、2029年に予定されているispaceのミッション4で打ち上げられるULTRAランダーに搭載され、欧州初となる月面ローバーによる本格的な月極域探査を実施する計画だ。月の極域における揮発性物質の分布や特性の解明、水氷の探索、レゴリスの特性に関する科学的知見の向上を目指している。

ミッション4では、ispaceが2026年1月にJAXAの宇宙戦略基金事業第二期で採択された「月極域における高精度着陸技術」の成果を活用して高精度月面着陸を目指す。MAGPIEローバーの輸送は、ESAおよびJAXAの協力のもとで進められる。

月南極の水氷やレゴリスを多角的に観測

月極域の「永久影」領域には水氷が長期間保存されている可能性があり、その分布の解明は将来的な月面での持続的活動や深宇宙探査の燃料供給にも活用される可能性があるとされている。

MAGPIEローバーは複数の科学機器を搭載し、月面上を移動しながら異なる地質環境で観測を実施する。得られたデータは月南極の理解を深めるだけでなく、将来の資源探査や持続的な月面活動に必要な技術・運用方法の検討にも活用される予定だ。

ESAの有人・ロボティック探査局長であるDaniel Neuenschwander氏は、MAGPIEが持続可能な月探査の実現に向けた重要な知見を提供するプロジェクトであるとし、ispaceとの連携が効率的で費用対効果の高いアプローチを示していると述べている。

欧州5か国のコンソーシアムで開発を推進

MAGPIEはispace-EUROPEが主導し、欧州全5か国の機関で構成されるコンソーシアムにより推進されている。参加機関は以下の通り。

  • ミュンヘン工科大学(ドイツ)
  • ESR Technology(英国)
  • The Open University(英国)
  • RAL Space(英国)
  • オスロ大学 宇宙センサー・システムセンター(ノルウェー)
  • プラハ・チェコ工科大学 実験応用物理学研究所(チェコ共和国)

ispace-EUROPEは、2025年に打ち上げられた「TENACIOUS」ローバーの開発・運用経験を活かし、主契約者としてミッション全体を統括する。現在チームは熱構造モデルの審査に向けた開発を進めており、今後は走行性能を評価する機能試験を予定している。

ispaceの概要

株式会社ispace(代表取締役:袴田武史、東京都中央区)は、月面資源開発に取り組む宇宙スタートアップ企業で、小型ランダーやローバーの開発を手がけている。

  • 設立:2010年
  • 拠点:日本、ルクセンブルク、アメリカ
  • 今後の計画:2027年最速で月周回衛星を投入するミッション2.5、2028年にミッション3、2029年にミッション4の打ち上げを予定(※2026年9月時点の予定)

本記事は株式会社ispaceの発表をもとに作成。

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