ショッピングモールの空床活用。デジタルスポーツで心身の衰え解決へ

新たな運動習慣化のプラットフォームを作り出す試みが、埼玉県久喜市で進行中だ。エアデジタル株式会社は、同市のショッピングモール内の空床を有効利用し、デジタルスポーツ空間を作り出すことで、心身の衰えを防ぎ、健康増進を図ろうとしている。この試みの開発資金をクラウドファンディングサービス「READY FOR」を通じて募っている。

エアデジタルは、久喜市にあるショッピングモール「アリオ鷲宮」内に「スポーツ60&スマート」というデジタル運動習慣化施設を設け、毎月300~600人の利用者を迎えている。利用者層は大人から子ども、障害を持つ方まで幅広い。平日にはヨガや体幹ストレッチなどの運動プログラムも行われ、中高年の方々からも利用されている。

訪れる利用者の中には、「病院ではどこも悪くないと言われるけれど体調は悪い」「運動をしろと言われたけど、どうしたら良いのかわからない」「医者に相談したけど、忙しそうで答えが聞けない」といった悩みを抱えている中高年の方が多い。エアデジタルでは、このような中高年層の悩みを解消するために、デジタルスポーツを活用した健康増進や運動習慣化に向けた取り組みを積極的に行っている。

エアデジタルが進めるプロジェクトは、老化による心身の衰え、つまり「フレイル予防」にフォーカスを当てている。具体的には、拡張現実(AR)型の室内運動プラットフォーム「DIDIM(ディディム)」を導入することで、中高年層が楽しみながら運動に取り組むことができる環境を作り出すことを目指している。

新コンテンツ「DIDIM」は、運動に不安を感じる高齢者や、健康維持を望む方が気軽に利用することができる。設置が容易で持ち運びも可能なため、自治体主催のイベントなどでも利用されている。今回のクラウドファンディングは、「DIDIM」を「スポーツ60&スマート」に設置するための費用を募るものであり、同施設を利用する中高年層の「フレイル予防」に資するプログラムを開発する目的がある。

エアデジタルの取り組みは、ショッピングモールという身近な場所にデジタルスポーツを導入することで、中高年層の健康増進を試みるものだ。デジタル技術を活用した新たなフレイル予防の形が、今後の健康増進のあり方を示す可能性を持っている。