旧JR九州本社ビルをホテルへ再生 日鉄興和不動産などの共同事業体が北九州市と協定
日鉄興和不動産株式会社を代表企業とする門司築興共同事業体は、北九州市が公募した「旧JR九州本社ビル活用事業」の優先交渉権者に選定されたことを受け、同市と建物の売買契約締結に伴う所有権移転および連携協定を締結しました。
1937年(昭和12年)に三井物産門司支店として建設された旧JR九州本社ビルは、日本遺産の構成文化財にも認定されている歴史的建造物です。同事業体は、建物の歴史や外観を継承しながら、泊まること自体が旅の目的となる「マーケット創出型ホテル」への再生を計画しています。
歴史的建造物を生かした空間設計と客室計画
旧JR九州本社ビルは、アール・デコスタイルの玄関レリーフや最上階の窓上の彫塑的表現、柱型頂部の勾配による外観のほか、エレベーターホールや階段室に当時の意匠を残しています。改修計画では、外壁の花崗岩や黒御影石、エントランスホールの梁・柱型などを生かしつつ、過去の改修で失われつつあった縦型デザインや大理石などの意匠の再評価と再現を図ります。
インテリアデザインは、Stapleのデザインユニット「staple studio」と、WAKAWAKAの奥田慎一郎氏が共同で担当します。元設計者である松田軍平が生み出した規則的な構造にデザインを重ねる方針です。



客室は建物の2階から6階に配置され、既存躯体や平面構成を生かした全97室(客室面積19㎡~46㎡)が計画されています。

地域に開かれた複合施設とまちへの回遊

施設はホテル・飲食・カルチャー・イベント・自然が重なる複合施設として計画されています。1階には宿泊者以外も利用できる内部ストリートを設け、門司港の歴史や文化に着想を得た飲食・カフェ、カルチャーなどの店舗を配置します。屋上階には、関門海峡を望むビオトープやサウナを備える予定です。

また、駅前広場や地域と連携し、朝市や屋外シネマ、音楽イベントなどを展開することで、宿泊者と地域住民が交わる場を目指します。ホテルを起点に、門司港から関門海峡、小倉を含む北九州全体への回遊と消費拡大を視野に入れています。なお、本計画は観光庁の「令和8年度 廃屋撤去・再生による地方温泉地等のまちづくり支援事業」に採択されています。
共同事業体の体制と関係者のコメント


門司築興共同事業体には、代表企業の日鉄興和不動産株式会社のほか、株式会社Staple、株式会社松田平田設計、株式会社YMFG ZONEプラニングが参画し、九州旅客鉄道株式会社が協力企業として加わります。
日鉄興和不動産株式会社の代表取締役副社長である吉澤恵一氏は、歴史的資産である建物の価値を引き継ぎ、ホテルとして地域とともに育てながら門司港から北九州全体へにぎわいを広げていきたい旨を述べています。
株式会社Stapleの代表取締役である岡雄大氏は、過去と未来、ローカルと世界を結ぶ顔ぶれにより、海峡の暮らしと旅人が出会う結節点を地域の皆さんと育てていく意向を示しています。
株式会社松田平田設計の代表取締役社長である江本正和氏は、創業者の松田軍平が設計した建物に関わる責任に触れ、コンバージョンの設計監理を通じて建物の価値を未来へつなぎ持続的なにぎわいづくりに貢献したいとしています。
株式会社YMFG ZONEプラニングの代表取締役である藏重嘉伸氏は、歴史ある建物が地域と旅行者の集う場になる意義を強調し、施設を起点に関門エリアへにぎわいと経済の好循環を広げたいとコメントしています。
物件概要
- 物件所在:北九州市門司区西海岸1-6-2(JR「門司港」駅 徒歩1分)
- 土地概要:1,323.33㎡(400.31坪)/商業地域(容積率400%・建蔽率80%)
- 建物概要:鉄骨鉄筋コンクリート造6階建て(延床5,635.45㎡)・1937年竣工(築89年)
- 再生用途:ホテル・飲食 等
- 着工予定:2028年6月
- 竣工予定:2029年9月
- 開業予定:2030年1月
本記事は門司築興共同事業体の発表をもとに作成されています。
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