2id Architectsが熱海に一棟貸し温泉宿を設計 完成を発表
静岡県浜松市の建築設計事務所2id Architectsが建築およびインテリアデザインを手がけた、一棟貸しの温泉宿「Tranquil Ambient Retreat」が静岡県熱海市に完成した。
同事務所の代表を務める建築家の岡田宰にとって、初めて設計を手がけた宿泊施設となる。年間100泊以上のホテル滞在経験や、YouTubeチャンネル「建築家のバカンス」の運営で培ってきた知見と建築家としての経験を生かし、建築によって日常から離れた時間を豊かにすることを目指して計画された。
竹林を望む立地と滞在体験のデザイン

施設が位置するのは、熱海の市街地から離れた山間部である。海ではなく、目の前に広がる竹林や近くを流れる川のせせらぎが聞こえる環境を宿の魅力と捉え、自然を感じながら温泉に浸かり静かに過ごす空間が整えられた。
空間の構成においては風景の切り取り方が工夫されている。玄関から露天風呂へと連続する空間には縦長の開口と外へ向かって広がる勾配天井を採用し、竹の姿と開放感を演出した。リビングでは水平窓と低く伸びる軒によって竹林を落ち着いた景色として取り込んでいる。一段下がったソファや畳、テラスなど、滞在中の姿勢や居場所の変化によって自然との関係が変わるよう、過ごし方そのものがデザインされている。



装飾を抑え自然を引き立てる設計思想
内外装はモノトーンを基調とし、木梁や構造用合板、コンクリートを仕上げとして生かすことで、装飾を抑えて竹林の緑や光を引き立てる設計とした。





「Low-Cost, High-Luxury」という考え方のもと、華美な装飾によるラグジュアリーではなく、土地固有の自然や風景、温泉、静けさ、時間の流れを豊かさとして捉えている。限られた規模やコストの中で自然の魅力を引き出す宿泊空間のあり方として提示された。

設計を手がけた岡田宰と今後の展開
設計を担当した岡田宰は1984年静岡県浜松市生まれ。法政大学工学部建築学科を卒業後、ミラノのDomus Academyにて修士号を取得した。WONDER WALL、クライン ダイサム アーキテクツを経て2016年に独立し、店舗、ホテル、別荘、オフィス、住宅などの建築・インテリアデザインを手がけている。これまでにDezeen Award、Design for Asia、グッドデザイン賞、キッズデザイン賞などを受賞している。
また、ホテルやヴィラを建築家の視点で紹介するYouTubeチャンネル「建築家のバカンス」(登録者数約3.1万人、2026年11月現在)を運営している。実際に宿泊を重ねてきた経験を今回の施設に反映させており、2id Architectsは今後もホテルやヴィラ、一棟貸し宿、別荘など、建築と滞在体験を横断するプロジェクトに取り組む方針を示している。
施設および関連情報
- 施設名称:Tranquil Ambient Retreat
- 予約サイト:https://www.ikyu.com/00052842/
- 設計:2id Architects(代表:岡田宰、所在地:静岡県浜松市)
- 事務所公式サイト:https://www.2id-arch.com/
- YouTubeチャンネル「建築家のバカンス」:https://www.youtube.com/@kenchikuka-vacance
本記事は2id Architectsの発表をもとに作成。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



