オンライン二次健診の実証結果を公開、受診率2.3倍に
ファストドクター株式会社とスターゼン株式会社は、健康診断で有所見となったハイリスク者を対象に、オンラインで医師によるフォローアップを行い適切な治療へと繋げる「オンライン二次健診」サービスの実証結果を公開した。
実証実験では、業務の合間や夜間などにオンラインで二次健診を受けられる利便性が多忙なビジネスパーソンに高く評価され、二次健診の受診率はサービス導入前比2.3倍に増加。サービス満足度は83%と高く、受診者の96%が「自身の健康状態について理解が深まった」と回答。受診者アンケートでは、利便性とサービスの質を評価する声が多く寄せられた。
この実証実験の評価を受け、スターゼン社では2024年度からファストドクターのオンライン二次健診を本導入することを決定した。
ファストドクターの「オンライン二次健診サービス」は、従業員の健康管理を経営的な視点で取り組む企業の「健康経営」をサポートする、法人向け健康診断フォローアップサービスだ。近年、健康診断において「要再検査・要精密検査・要治療」などの指摘を受けた人は全体の約60%に上るが、企業から従業員への二次健診の受診勧奨は努力義務に過ぎず、ハイリスク者が未受診のままであるケースが課題となっている。
一方、健康診断で「生活習慣病のハイリスク者」とされた患者が、3か月以内に医療機関を受診することで、最大約40%入院リスクが軽減され、労務不能日数も低下するという研究結果が出ており、ハイリスクとなった従業員の早期治療は、従業員のみならず企業にとっても重要な課題だ。
ファストドクターの「オンライン二次健診」は、診療時間を最大22時まで設け、これまで業務が多忙で二次健診を受けることができなかったビジネスパーソンに受診の機会を提供し、継続的な治療をサポートする。
東京大学未来ビジョン研究センター特任教授の古井祐司氏は、「働き盛り世代においては、自身の健康は二の次になりがちだ。そこで、日常の生活動線である職場で受診勧奨することは有用であり、ハイリスク者の早期受療は重篤な疾患の予防や病気に伴う労働生産性損失の防止にもつながる。今回の実証結果から、オンラインによる二次健診が多忙な勤労者の受診促進と自身の健康リスクの理解にプラスに働くことがうかがえる。このような取り組みが全国に広がることで、勤労者のwell-beingと持続可能な企業経営につながることを期待する」とコメントしている。
ファストドクターでは、「1億人のかかりつけ機能を担う」を2030年ビジョンとして掲げ、その達成に向け「救急医療支援」のみならず「慢性期医療支援」にも取り組んでいる。2023年4月には、健康診断後の夜間・休日の相談・受診を可能にする「生活習慣病オンライン」サービスを開始し、生活習慣病への早期介入による重症化予防や入院治療の回避、医療費削減への貢献を目指している。