ふじのくにHOPEオンコパネルが保険適用
株式会社エスアールエル、静岡県立静岡がんセンター、富士レビオ株式会社の3者は、エスアールエル・静岡がんセンター共同検査機構株式会社と共同開発したがんゲノムプロファイリング検査用医療機器「ふじのくにHOPEオンコパネル」が保険適用されたと発表しました。
本製品は2026年3月に厚生労働省より製造販売承認を取得しており、「薬物代謝酵素関連遺伝子多型」の解析機能を搭載したがんゲノムプロファイリング検査用製品として、2026年11月1日付で国内において初めて保険適用を受けました。2026年11月2日より、エスアールエルが全国の医療機関から本製品による検査を受託開始し、エスアールエル・静岡がんセンター共同検査機構が検査を実施します。
日本人がん患者の研究成果を活用した開発背景
本製品は、2014年からスタートした静岡がんセンターとエスアールエルによる共同研究「プロジェクトHOPE(High-tech Omics-based Patient Evaluation)」の成果を活用しています。静岡県が推進するファルマバレープロジェクト(富士山麓先端健康産業集積プロジェクト)の一環として、公益財団法人ふじのくに医療城下町推進機構ファルマバレーセンターの支援のもとで開発されました。
製品の設計は日本人がん患者5,143症例の研究データに基づいており、がんの遺伝子変化などに関する情報を提供して治療方針決定の補助として用いられます。
検査可能なバリアント(変異)およびバイオマーカーの種類には、塩基置換(Single Nucleotide Variant; SNV)、挿入(Insertion)、欠失(Deletion)、コピー数変化(Copy Number Variation; CNV)、融合遺伝子等の構造異常(Structural Variant; SV)等が含まれます。
計410種類の解析対象遺伝子の内訳
解析対象となる遺伝子は、薬の分解や代謝に関係する22種類の薬物代謝酵素関連遺伝子を含む計410種類です。その詳細な内訳は以下の通りです。
- 塩基置換、挿入、欠失、コピー数変化を検出する遺伝子:381種類
- 融合遺伝子等の構造異常を検出する遺伝子および領域:72種類(うち43種類は、上記「塩基置換、挿入、欠失、コピー数変化」の検出も行います。)
- 薬物代謝酵素関連遺伝子の遺伝子多型を検出する遺伝子:22種類(すべて、上記「塩基置換、挿入、欠失、コピー数変化」の検出も行います。)
検査実施施設と品質管理の体制
検査施設における品質管理体制について、静岡県立静岡がんセンターゲノム医療推進部長の村上晴泰氏は、検査に必要な全工程を国内で行う体制が整っており、検出された情報が日本語で記載される報告書の提供など医療現場での使いやすさが追求されている点や、改善を継続する取り組みについて言及しています。
検査を実施するエスアールエル・静岡がんセンター共同検査機構は、臨床検査技師等に関する法律に基づく衛生検査所として登録されています(東保登録第24号)。さらに、米国病理学会(College of American Pathologists:CAP)の Laboratory Accreditation Program の認定(認定番号:8344498)、および米国臨床検査改善法(Clinical Laboratory Improvement Amendments:CLIA)に基づく認定(認定番号:99D2274026)を取得しています。
なお、保険診療によるがん遺伝子パネル検査(本製品を含む)は実施にあたり施設要件が定められており、厚生労働省が指定するがんゲノム医療中核拠点病院(全国13施設)、がんゲノム医療拠点病院(同32施設)、がんゲノム医療連携病院(同263施設)で実施されています(2026年11月1日現在)。
製品および保険収載の概要
製品の基本情報および保険適用に関する内容は以下の通りです。
- 一般的名称:遺伝子変異解析プログラム(がんゲノムプロファイリング検査用)
- 販売名:ふじのくにHOPEオンコパネル
- 製造販売承認番号:30800BZX00090000
- 製造販売業者:富士レビオ株式会社
- 製品サイト:https://srl-scc.co.jp/fujinokuni-hope-oncopanel/
- 保険収載内容・関連評価料:D006-19 がんゲノムプロファイリング検査(固形腫瘍を対象とする場合)44,000点、B011-5 がんゲノムプロファイリング評価提供料 12,000点
- 保険適用開始日:2026年11月1日
関連組織の概要は以下の通りです。
- 株式会社エスアールエル(H.U.グループホールディングス株式会社の連結子会社):本社 東京都港区、代表取締役社長 松本誠、URL https://www.srl-group.co.jp/
- 静岡県立静岡がんセンター:所在地 静岡県駿東郡長泉町、総長 上坂克彦、URL https://www.scchr.jp/index.html
- 富士レビオ株式会社(H.U.グループホールディングス株式会社の連結子会社):本社 東京都港区、代表取締役社長 青柳克己、URL https://www.fujirebio.co.jp/
- エスアールエル・静岡がんセンター共同検査機構株式会社:本社 静岡がんセンター研究所内、代表取締役社長 市田裕之、URL https://srl-scc.co.jp
本記事は株式会社エスアールエル、静岡県立静岡がんセンター、富士レビオ株式会社の発表をもとに作成されています。
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