ランサムウェア被害のデータ窃取量が約900TBに、日本でも被害組織が25%増
Zscaler, Inc.は、「2026年版ThreatLabzランサムウェア レポート」を発表しました。調査によると、ランサムウェアによるデータ窃取量は前年比275%以上増加して896.2テラバイトに達し、日本国内でも被害組織数が前年比25%増加していることが明らかになりました。攻撃者が生成AIを活用して活動を効率化させる中、管理職以上の従業員を標的に据えるなど、脅威の拡大が続いています。
今回のレポートによると、1年間でランサムウェアにより窃取されたデータは896.2テラバイトに上りました。ランサムウェア グループへの支払いに関連するブロックチェーン取引額は3億2,800万米ドルに達し、平均身代金支払額は前年比5.3%増の43万1,995米ドルとなっています。
被害者の傾向としては、管理職以上が62%を占めており、高い権限やビジネス上の影響力を持つ従業員が狙われています。攻撃手法においては、Microsoft TeamsやQuick Assistといった信頼された企業向けツールが悪用され、ソーシャル エンジニアリング、ラテラル ムーブメント、データ窃取、ファイル暗号化が実行されている状況です。
ゼットスケーラーのサイバーセキュリティ担当エグゼクティブ バイスプレジデントであるディーペン・デサイ(Deepen Desai)は、ランサムウェアによる恐喝がファイル暗号化から目立ちにくく深刻な被害をもたらすデータ窃取へと移行していると指摘しています。
被害の業界動向とアジア太平洋地域の状況
業界別の動向では、製造業とテクノロジー業界が引き続き最も多く標的となったほか、貨物・物流業界では前年比725%、公益事業では622%の増加が記録されました。国別では米国が全体の50.7%を占めて最大の標的となっており、カナダ(4.8%)、ドイツ(4.3%)、英国(4.1%)が続いています。
日本国内においては、公開情報に基づくランサムウェア被害組織数で世界上位15カ国に入り、世界全体の1.3%に相当する94組織が確認されました。被害組織数は前年比25%増加しています。アジア太平洋地域全体でも増加傾向が見られ、韓国(前年比175%増)、タイ(141%増)、マレーシア(81%増)、台湾(33%増)、シンガポール(22%増)などで被害が拡大しました。
また、エコシステム全体では、リークサイトに掲載された被害組織が7,366件となり、前年からの減少率はわずか3%にとどまりました。公開された被害組織の34%はQilin、Akira、INC Ransomの3グループが占めています。被害件数上位15グループのうち9グループが新たにランキング入りし、過去1年間で新たに活動を開始した52のグループが確認されています。
日本でのAI利用拡大とゼロトラストの推奨
日本では企業のAI活用が進んでおり、「2026年版ThreatLabz AIセキュリティ レポート」によると、日本におけるAI/ML関連トランザクションは2025年に前年比122.8%増加しました。2025年6月から12月までに190億件が確認され、世界全体の3.2%、アジア太平洋地域の10.4%を占めています。
一方で、「2026年版ThreatLabzフィッシングと初期アクセスに関するレポート」において、日本は暗号化された攻撃トラフィックの標的国ランキングで世界第9位となっています。攻撃者側も生成AIを活用する中、2026年5月18日発表の「Project YATA-Shield」において、国家サイバー統括室は重要インフラ事業者に対してAIを悪用した脅威への優先的な対策としてゼロトラストアーキテクチャの導入を推奨しています。
調査の概要
今回の調査結果は、Zscalerのテレメトリー データを分析したものです。
- 調査対象期間: 2025年4月から2026年3月まで
- 調査対象内容: ランサムウェア活動(グループと関連組織、被害者の標的化、攻撃手法、データ窃取、身代金支払いの傾向など)
- レポート詳細URL: https://www.zscaler.com/jp/campaign/threatlabz-ransomware-report
本記事はZscaler, Inc.の発表をもとに作成されています。
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