スペースデータ、ブラウザ上で倉庫を実写3D再現する物流向けパッケージ提供へ
株式会社スペースデータは、ロボットの導入・運用・学習基盤「RobotBrain」の新機能として、倉庫向けの「物流の空間知能化パッケージ」を提供します。360度カメラで撮影した倉庫を実写の3D空間として再現し、入荷やフォークリフト操作、ロボットの稼働といった場面をPCやスマートフォンのブラウザ上で動かして確認できます。物流や製造、小売、食品などの現場において、安全教育やレイアウト検討、ロボット導入前の検証などでの活用が見込まれています。
倉庫現場の課題とパッケージ提供の背景
倉庫の現場では人手不足を背景に、ロボットや自律搬送機器の導入、レイアウトの変更が進められています。しかし、死角や設備の閉め忘れといった危険な場面を現場で再現して教育することは難しく、棚の配置換えやロボットの動作検証を行う際にも現場の作業を止める必要があります。また、動画や手順書による研修では作業手順が定着しにくい点や、遠隔地にいる関係者に現地の状況を共有しにくい点も課題となっていました。
本パッケージは、実写の倉庫空間を通じて、危険な状況の安全な体験や、現場を止めずに機器配置・ロボット導入を試せる環境を提供するために開発されました。
再現される倉庫内の主な作業と設備
パッケージ内では、倉庫における主要な設備や作業工程がシミュレーション可能です。
- 入荷作業:2tウイング車を接車し、荷台からパレット(313kg)を取り出して入荷置き場へ下ろすまでの流れを再現します。トラック周辺に人がいる場合は停止し、1.5m以上離れると動作を再開します。一連の流れは約2分の自動再生も可能です。
- フォークリフト:キーボードやスマートフォンの画面スティックによる手動運転が可能です。荷物に合わせた差し込み(左右±8cmの精度)や移動の自動化にも切り替えられます。
- 冷凍・冷蔵室:冷凍(−20℃)および冷蔵(+5℃)の区画に入る際、作業服・防寒服・防寒手袋・防寒長靴の着用状況を判定します。扉の閉め忘れに対しては、冷凍室で30秒で注意・60秒で警報、冷蔵室で60秒で注意・120秒で警報が発令されます。
- ロボット連携:段ボールを運ぶ人型ロボット(二足歩行)10体や、台車の下に入り込んで運搬する自律走行搬送ロボット(AMR)10台が配置されています。人やフォークリフトを検知して停止するほか、AMRはLiDARを用いて障害物を回避します。巡回ロボットは通路を見回り、熱源や置き忘れなどの異常を模擬映像や温度情報で通知します。
- 自動倉庫:2列×9連×5段(90区画)の棚をスタッカークレーンが移動し、入出庫やピッキングなどの工程を自動で繰り返します。安全柵内に人が立ち入るとクレーンが停止します。
- レイアウト検討とセンサー表示:カタログから機材を選んで配置することができ、重なりが発生した場合は赤く表示されます。温度や扉の開閉などの模擬センサー情報は、実機センサーのデータに差し替え可能な構造となっています。
物理エンジンによる動作計算とブラウザ対応
本パッケージは360度カメラで歩行撮影したデータから実写の3D空間を構築しており、施設を特定できないよう改変する「似て非なる空間」の作成にも対応します。
動作面ではオープンソースの物理エンジン「MuJoCo」を採用しており、重さや摩擦、接触、二足歩行のバランスなどを操作ごとに毎回計算して反映します。専用ソフトウェアのインストールは不要で、PCやスマートフォンのブラウザからURLを開くだけで社内外の複数人が同じ仮想空間を共有できます。
株式会社スペースデータ 概要
東京都港区に本社を置く株式会社スペースデータは、空間知能技術を活用したプラットフォーム構築を進めています。
- 社名:株式会社スペースデータ
- 代表:佐藤航陽
- 所在地:東京都港区虎ノ門1-17-1 虎ノ門ヒルズビジネスタワー 15階
- 資本金:15億1300万円
- 事業内容:宇宙開発に関わる投資と研究
- HP:https://spacedata.jp
本記事は株式会社スペースデータの発表をもとに作成しています。
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