ineRobo、福岡県北九州市でロボットと人の手を組み合わせた稲作の収穫を実施
福岡県宗像市に本社を置くineRobo株式会社は2026年9月20日、福岡県北九州市小倉南区の水田で、参加者とともに稲を手作業で収穫した。同社は小規模水田の稲作を支えるため、ロボットが行う作業と人の手が必要な作業を組み合わせた運営方法の検証を進めている。あわせて、農作業に参加したボランティアの貢献をアプリで記録・可視化し、収穫米の還元へつなげる仕組みの試行も行っている。



実証の場となった水田はDEN農が提供し、2026年5月17日にはineRobo株式会社、株式会社テムザック、DEN農の3者共同で播種の実演イベントが開かれた。種まきには株式会社テムザックが開発したコメ作りロボット「雷鳥1号」が用いられた。
その後、同社が取り組む減農薬での米づくりに伴い、稲の間に生える雑草への対応が必要となった。現在のロボットでは稲と雑草を十分に判別できないことから、8月30日に草刈りイベントが開催され、約10人の参加者が手作業で雑草を取り除き、防鳥対策なども進められた。稲の生育が想定より早く進んだことで収穫時期が前倒しされ、収穫ロボットの開発が間に合わなかったため、9月20日のイベントでは参加者が水田に入り、一株ずつ手作業で稲を刈り取った。

ineRobo株式会社は、ロボットのみでは対応しきれない農作業に関心を持つ人が参加し、その貢献を記録する仕組みの検証も行っている。この取り組みは、公益財団法人PwC財団の「助成事業2026年度春期 食料システム(革新的な生産)」に採択されたプロジェクトの一環として実施されている。
8月30日の草刈りイベントでは、Unyte社とともに作業貢献を記録・可視化するアプリが試験運用された。参加者は活動内容や地域での消費をアプリに入力し、実証データを蓄積した。プロジェクト第二弾となった9月20日の収穫イベントでもアプリによる作業貢献度の評価が行われており、記録された貢献度に応じてロボット生産米を参加者へ還元する仕組みも試行されている。
会員制度「イネカツ」の展開と外部プログラムでの評価
同社はロボット稲作を継続的に支援し収穫を分かち合う会員制度「イネカツ」を展開している。会員はお米の購入に加え、生産過程を見守り米づくりを支える取り組みに参加できる仕組みとなっている。2026年はテストユーザーとしての募集が行われており、収穫量を基に設定した受入上限に近い人数が集まっているという。今回収穫された米は精米を経て、イネカツ会員へ順次配送される予定となっている。
同社の小規模稲作を支える事業構想は外部からも評価を得ており、東京都が公表した資料によると、2026年7月29日に開催された東京都「地域課題解決イノベーション創出プロジェクト」のピッチイベントにおいて、「持続可能で生産性の高い農業(中山間地域の農業振興、持続可能な米づくり)」のテーマで受賞事業者に選定された。また、牧之原市の発表によると、まきチャレ2026(第5回牧之原市チャレンジビジネスコンテスト)では応募230件の中から書類審査を通過したセミファイナリストに選出されている。
今後の展開と会社概要
同社は今後も収穫後の工程を進めつつ、ロボットによる農作業と人の参加を組み合わせた稲作の仕組みの検証を継続する方針だ。ボランティアの作業貢献の記録や収穫米の還元についても、実際の農地での取り組みを重ねていくとしている。
代表取締役CEOを片桐豪志が務めるineRobo株式会社の概要は以下の通り。
- 会社名:ineRobo株式会社
- 設立:2025年10月6日
- 本社所在地:福岡県宗像市江口465番地
- 公式サイト:https://www.inerobo.jp/
- お問い合わせ:contact@inerobo.jp
本記事はineRobo株式会社の発表および東京都、牧之原市の公表情報をもとに作成されています。
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