大峰堂薬品工業が奈良県五條市に新工場を竣工 2027年7月に製品供給開始へ
漢方薬を中心に製品の開発から製造までを一貫して手がけるOEMメーカーの大峰堂薬品工業株式会社(代表取締役社長:辻将央)は、奈良県五條市に建設を進めてきたIoT対応型のスマートファクトリー「奈良新幸場(ならしんこうじょう)」の竣工にあたり、2026年10月5日に落成式を執り行いました。総工費約150億円を投じた同工場は、生薬からのエキス抽出、錠剤の製造、検査、包装までを一貫して担い、製品の供給開始は2027年7月を予定しています。同社は経済産業省・内閣府による奈良県地域産業クラスター計画の中核企業に位置付けられており、新拠点を軸に漢方薬の品質向上と安定供給を図る方針です。
国内最大級の設備とデータ活用による一貫生産体制
奈良新幸場では、生薬からエキスを抽出する工程から錠剤の製造、検査、包装までを一貫して行う生産体制を構築しています。なかでも錠剤の表面を被膜で覆うコーティング工程には、サイズ・生産規模ともに国内最大級の設備が導入されました。


また、製造工程のデータを収集・解析し、これまで熟練者の経験や感覚に基づいて培われてきた製造ノウハウをデータとして蓄積・共有する仕組みを整えています。蓄積したデータを製造条件の最適化や工程改善に活用することで、経験だけに頼らず高い品質を安定して再現できる体制を構築し、生産性の向上や製造コストの低減にもつなげていくとしています。
同社の代表取締役社長である辻将央は、天然物を原料とする漢方薬の品質を一定に整える難しさに触れた上で、「大切なのは、何を導入したかではなく、導入した設備によって皆さまにどのような価値をお届けできるかです」と述べています。
需要拡大と予防・健康づくりの観点から高まる役割
国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2050年には日本の人口の37.1%を65歳以上が占める見通しです。また、厚生労働省「令和5(2023)年度国民医療費の概況」によると年間の医療費が48兆円を超えるなか、「未病」や健康維持への関心が高まり、漢方薬は治療に加えて予防や健康づくりの観点からも役割が期待されています。
こうした環境下、同社の売上高は2022年度の76億円から2025年度の112億円へと、3年間で約1.5倍に拡大しました。需要の拡大に応えながら品質向上と安定供給を両立させることが、今回の工場建設の背景にあります。

地域産業クラスターの中核企業として国内外へ展開
同社は2026年9月に「医薬品等製造分野における地域産業クラスター計画」の中核企業に位置付けられており、新工場の建設にあたっては国および奈良県から補助金の交付を受けています。稼働を通じて雇用の創出や人材育成、県内取引先と連携したサプライチェーンの強化を図り、奈良県の製薬産業の発展に貢献する意向です。

海外展開においては、2018年にドイツで漢方薬の製造許可を取得し、2019年には現地で「YamatoGast」の販売を開始しました。今後はドイツで培った経験を生かして海外市場への展開を進めるとともに、治療領域に加えて未病・予防の領域にも事業を広げていくとしています。
大峰堂薬品工業株式会社の概要
- 所在地:〒635-0051 奈良県大和高田市根成柿574
- 創業:1900年
- 設立:1947年
- 代表者:辻 将央
- 資本金:4000万円
- 売上高:125億円(2027年9期予定)
- 従業員数:295名(2026年9月時点)
- 事業内容:医薬品、医薬部外品、健康食品等の研究開発・製造・販売
- URL:https://www.ominedo.co.jp/
本記事は大峰堂薬品工業株式会社の発表および、国立社会保障・人口問題研究所、厚生労働省の公表情報をもとに作成されています。
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