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IOWNのAPNで柏・神戸間を直結 最大約775Gbps転送を実証

情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII)、理化学研究所(理研)、東京大学(東大)、NTT東日本およびNTT西日本(NTT東西)は、次世代通信基盤「IOWN」に基づく技術「All-Photonics Network」(APN)を活用したストレージ間の超高速データ転送の実証評価を実施しました。理研計算科学研究センター(兵庫県神戸市)と東大柏地区キャンパス(千葉県柏市)の間を800 Gbpsの回線帯域で直結し、二つの実用アプリケーションを同時に使用して750 Gbps超の転送に成功しました。長距離通信においても既存アプリケーションで800 Gbps回線を有効活用できることが確認されたとしています。

APN 800 Gbps回線による実証実験環境の構成

本実証実験は、2025年12月に締結された共同研究契約に基づいて行われました。実験環境は、大阪のNTT西日本局舎と柏のNTT東日本局舎の間を「All-Photonics Connect powered by IOWN」によるAPN 800 Gbps回線で接続し、各局舎と理研神戸拠点および東大柏拠点の間を400 Gbps×2回線で直結する形で構築されました。

両拠点は学術情報ネットワークSINETでも接続されており、実証環境での測定において、APNの遅延値はSINETと比較して約20%低減し、低遅延性が確認されました。

ファイル転送の検証には二つの実用アプリケーションが採用されました。一つは理研と東大が運用するHPCI共用ストレージの検証環境(前バージョンの第二世代環境)で、もう一つはNIIが開発した恒速/高速ファイル転送ツールMMCFTPです。MMCFTPの転送に向けては、NVMe SSDを多数搭載したNIIサーバを理研と東大に設置し、各拠点のスイッチと400 Gbpsイーサネット(400GbE)1個および100GbEを4個で接続して実験が行われました。

回線帯域の約97%となる最大約775 Gbpsを記録

実験では回線の正常動作を確認したうえで、パラメータを変更しながら断続的な転送実験が実施されました。その結果、二つのアプリケーションを同時に使用した際に、800 Gbps回線帯域の約97%に相当する最大約775 Gbpsの転送速度を記録しました。

さらに、750 Gbpsを超える転送速度を数分間継続できることも確認され、柏・神戸間という長距離通信であっても、超高速回線を実用レベルで活用可能であることが示されました。なお、本結果は特定の検証環境下で得られたものであり、いかなる環境においても同等の性能や結果を保証するものではないとされています。

今後の共同研究と日米間でのファイル転送実験計画

4者は今後も共同研究契約に基づき、APNを活用した大規模・高品質なデータ転送に関する検討や概念実証(PoC)を進める方針です。NTT東西のAPN基盤、NIIのSINETにおける知見、理研および東大の大規模ストレージに関する知見を連携させ、データ同期技術の共同研究を通じて研究データ利活用環境の拡張や次期SINET等の検討に反映させていくとしています。

また、直近の取り組みとして、2026年11月に開催される国際会議・展示会SC26において、本実験環境の400 Gbps部を米国シカゴの会場まで延伸したファイル転送実験が予定されています。この実験は、サーバ間および国際回線を含む全区間に400 Gbps以上の回線を用いた日米間ファイル転送実験となる見込みです(NII調べ、2026年10月末時点)。

関連技術および用語の概要

  • IOWN:光を中心とした技術を活用し、高速大容量通信や膨大な計算リソース等を提供するネットワーク・情報処理基盤の構想(https://www.rd.ntt/iown/index.html)
  • APN:フォトニクス(光)ベースの技術を導入し、低消費電力、大容量、低遅延伝送を実現するネットワーク(https://www.rd.ntt/iown/0002.html)
  • SINET:NIIが構築・運用する日本全国の大学・研究機関向け学術情報ネットワーク。現在はSINET6を運用中(https://www.sinet.ad.jp/)
  • HPCI共用ストレージ:東大柏と理研神戸の間で大規模データを高速かつ安全に共有する基盤(https://www.hpci-office.jp/using_hpci/hardware_software_resource/2024/hpci_2024_st-1)
  • MMCFTP:NIIが開発した指定速度(恒速)転送やマルチパス転送を特徴とするファイル転送ツール(https://www.sinet.ad.jp/connect_service/service/cbrftp)
  • SC26:米国で開催されるハイパフォーマンス・コンピューティング、ネットワーキング、ストレージ等の国際会議・展示会(https://sc26.supercomputing.org/)

本記事は情報・システム研究機構 国立情報学研究所、理化学研究所、東京大学、NTT東日本、NTT西日本の発表をもとに作成しました。

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