八丈島でのAI活用によるザトウクジラ観測強化

富士通株式会社、株式会社みずほフィナンシャルグループ、株式会社みずほ銀行、みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社、東京都八丈町は2024年5月21日、八丈島のスマートアイランド化とサステナブル・アイランド化推進の一環として、富士通の先端AI技術を活用したザトウクジラの来遊状況把握と観光振興への活用可能性の検証事業を強化すると発表した。

本事業は、東京都の「東京宝島 サステナブル・アイランド創造事業」の枠組みを用いて、八丈島の地域資源である豊かな自然環境の保全と適切な活用を目指すものだ。みずほグループは、八丈島内唯一のメガバンクグループとして、デジタルテクノロジー等の社会実装を通じて地域課題の解決を図る「スマートアイランド化」の実現に向けて、さまざまな取り組みを推進している。

従前より、みずほグループは八丈町や国立大学法人東京海洋大学と連携し、ザトウクジラの生態調査や地域資源としての観光振興への活用において、デジタル技術の導入を支援してきた。今般、富士通の持つ先端AI技術を活用し、本事業を強化することで、従来、人手のみで実施していた生態調査を高度化し、生物多様性の保全に貢献するとともに、観光客などに来遊状況を適時に発信することで、地域資源を活かした新たな観光の魅力を創出していく。

事業の実施期間は2024年5月から2024年10月末までで、検証結果を踏まえ、実施期間の延長を検討する。事業の概要としては、ザトウクジラの生態行動を学習させたAIモデルを用いて、島内に設置している複数の定点カメラの映像データを分析し、ザトウクジラ検知のフィージビリティを検証する。併せて、来遊状況の観光客への周知等、具体的な活用方法を見据え、検知結果を還元するための運用フローについて検討を行う。

みずほ銀行とみずほリサーチ&テクノロジーズは本事業構築・実施に係る全体支援とスマートアイランド化に向けた他の施策との各種調整を担当する。八丈町はザトウクジラの画像データ・映像データの提供と観光振興への活用に向けた各種検討・調整を行う。富士通は「Fujitsu Kozuchi」の提供とAIモデル構築および映像データの分析に関する支援を行う。

富士通グループは、マテリアリティ(必要不可欠な貢献分野)である「地球環境問題の解決」の項目の一つに、自然共生(生物多様性の保全)を定めており、デジタル革新を支える技術やサービスの提供を通じて社会課題解決に貢献していく。