八千代エンジニヤリングなど三者、インドネシアでMOF技術実装に向け共同研究契約
八千代エンジニヤリング株式会社、株式会社Atomis、インドネシア国営エネルギー会社 PT Pertamina (Persero)の三者は、効率的なガス配送とエネルギー安全保障に資するMOF(多孔性金属錯体)技術の実装に向けた共同研究開発契約(Joint Study Agreement)を2026年10月23日に締結しました。本契約は、次世代ガス容器「CubiTan®」を活用した「スマートガスネットワーク事業」の実証を、実際のガスと運用環境のもとで進めることを目的としています。締結式には駐インドネシア共和国特命全権大使の植野 篤志氏をはじめとする関係機関の代表が立ち会いました。
三者による共同研究開発契約の締結式を実施
東京都台東区に本店を置く八千代エンジニヤリング株式会社(代表取締役社長執行役員:高橋 努)と、兵庫県神戸市に本社を置く株式会社Atomis(代表取締役CEO:浅利 大介)、そしてインドネシア国営エネルギー会社 PT Pertamina (Persero)(以下「Pertamina」)による共同研究開発契約(以下「本JSA」)の締結式が行われました。
式典には、駐インドネシア共和国特命全権大使の植野 篤志氏、インドネシア エネルギー鉱物資源省(ESDM)石油ガス総局、および国家研究革新庁(BRIN)の代表者が立ち会いました。署名は、Pertaminaの技術革新・実装担当上級副社長であるHana Timoti氏、Atomis社 代表取締役CEOの浅利 大介氏、八千代エンジニヤリング 取締役執行役員 事業開発本部長の山中 健二郎氏ら三者の代表によって執り行われました。
国産ガス活用に向けたインドネシアの課題と背景
インドネシアは天然ガスやバイオガスといった豊富な国産ガス資源を有していますが、多数の島々からなる広大な国土環境から、各家庭へ配管網を整備して供給することは困難とされています。そのため家庭用燃料としてはボンベ配送が可能なLPG(プロパンガス/液化石油ガス)が広く利用されているものの、その大半を輸入に依存しています。
この状況はエネルギー安全保障上の課題だけでなく、補助金や外貨流出による財政負担の原因となっています。これを受け、配管に頼らずに国産ガスを家庭に供給し、輸入LPGへの依存から脱却することが求められており、同国政府も2026年に入ってLPGから国産ガスへの転換政策を推進しています。
次世代ガス容器「CubiTan®」とスマートガスネットワーク事業
Atomis社が開発を進めるCubiTan®は、配管を用いずに国産ガスを貯蔵・運搬できる次世代ガス容器です。国産ガスの主成分であるメタンは常温で液化できないため、従来の圧縮天然ガス(CNG)容器では高圧圧縮が必要でした。これに対しCubiTan®は、容器内部に充填されたMOFがガスを吸着する特性を利用し、低圧環境でも高密度にガスを貯蔵できます。
この技術により、大がかりな圧縮設備を必要としない島嶼部や遠隔地への分散供給、輸入LPGの代替によるエネルギー輸入依存の是正、バイオマス由来ガスなどの有効活用やメタンの大気放出抑制が期待されています。
八千代エンジニヤリングとAtomis社は、配管敷設を行わず容器の遠隔モニタリングによってガスの配送から利用状況管理までを一元的に行う「スマートガスネットワーク事業」を共同展開しています。国産ガスを各家庭へ届ける仕組みを通じて、インドネシアのエネルギー安全保障の強化、財政負担の軽減、低炭素化への貢献を目指しています。
共同研究の経緯と今後の実証
八千代エンジニヤリングとAtomis社は2023年10月、インドネシア国立研究革新庁(BRIN)との三者でMOF技術に関する覚書(MoU)を締結して研究協力を開始し、BRINと連携しながら同国政府への働きかけを継続してきました。
今回の本JSAは、これまでの連携をPertaminaとの協力関係へと発展させ、実際のガスと運用環境のもとで実証を行うものです。本JSAを通じて実環境下におけるCubiTan®の安全性、信頼性、経済性の検証が進められ、インドネシアにおけるガス供給体制の変革とエネルギー安全保障の強化に貢献するとともに、東南アジア地域でのスマートガスネットワーク事業の展開加速が図られます。
本記事は八千代エンジニヤリング株式会社の発表をもとに作成されています。
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