アトラシアン、開発全工程をAIネイティブ化する新機能を日本市場に本格展開へ
神奈川県横浜市に本社を置くアトラシアン株式会社(代表取締役社長:スチュアート・ハリントン)は、ソフトウェア開発ライフサイクル(SDLC)全体をAIネイティブへと進化させる一連の新機能を、日本市場向けに本格展開することを発表した。新機能は、2026年10月に開催されたアトラシアンの年次カンファレンス「Team ’26 Europe」で構想が発表されたもので、計画から開発、レビュー、保守、効果測定に至る全工程をAIエージェントと統合する。部分的なコーディング支援にとどまらず、ライフサイクル全体の生産性向上を支援する。
開発ライフサイクル全体をAIネイティブ化する背景
アトラシアンが実施した2026年 AI SDLC調査によると、エンジニアリングリーダーの94%がすでにチームでAIを活用していると回答した一方、組織全体でAIを効果的にスケールさせ、適切に統制できている企業はわずか6%にとどまっている。
同社は、人間が方向性と判断を定め、AIエージェントが実行する開発オペレーティングモデルを提唱している。今回発表された新機能群は、コンテキスト、計画、デザイン、開発、レビュー、メンテナンス、測定の7つの柱で構成される。既存のコードベースにおける機能開発について、アトラシアンのエンジニアはAIネイティブなプロセスによって開発速度が7倍以上に向上したと見積もっており、仕様駆動開発のパイロットでは開発者チームが数カ月分のロードマップを数週間で提供したとしている。
組織コンテキストの統合と計画・デザイン支援
組織固有のコンテキストを統合する基盤として、コードやドキュメント、80を超えるサードパーティのソースを統合する「Atlassian Teamwork Graph」を活用する。社内検証では、Teamwork GraphによりAIの回答品質が最大44%向上し、トークン消費が最大48%減少した。これを取り込んだ「Code Context(コードコンテキスト)」により、BitbucketやGitHubのリポジトリを横断した検索や、Jira、Confluence、Loom、Slack、Googleドライブなどの情報に基づいた推論が可能になる。
計画段階では「Planner(プランナー)」がプロンプトからの質問を通じて要件を定義し、Confluence上の構造化された計画作成や、Jiraの作業項目への分解を行う。デザイン段階では「Record for Agent(エージェント用動画)」により、Loomで録画した動画を構造化されたプロンプトに変換し、UIコード生成やプロトタイプ構築に活用できる。


開発工程では、Jiraがサードパーティのコーディングエージェントに対応した。Cognitionの Devin、Factory、WarpがAtlassian Marketplaceで利用可能となっており、OpenAI Codexも近日対応予定としている。レビュー工程では、AIエージェントがBitbucket上のプルリクエストに対し、変更意図などを解説するナレーション付きのLoom動画を自動生成する。
保守工程を担う「Agent Sessions(エージェントセッション)」では、AIエージェントのトリアージや修正作業をJira上で可視化・追跡・再利用できるようにする。また、エンジニアリングインテリジェンスプラットフォーム「DX」による「DX AI Measurement ソリューション」では、スループットや品質への影響、他社とのROIベンチマーク比較などを定量的に評価できる。

提供状況とアトラシアンの概要

各機能の提供状況は以下の通りとなる。
- DX AI Measurement ソリューション:一般提供中
- Code Context:オープンベータを通じて、有償プランの利用者へ段階的に提供開始
- Record for Agent:オープンベータで利用可能
- Planner、Agent Loops、AI Review:プライベート早期アクセスで利用可能
- Agent Sessions、LoomのインタラクティブなPRレビュー:クローズドな早期アクセスプログラム段階

アトラシアン株式会社の概要は以下の通り。
- 設立:2013年(日本法人)
- 本社所在地:神奈川県横浜市
- 代表取締役社長:スチュアート・ハリントン
- 主な製品:Jira、Confluence、Jira Service Management、Rovoなど
- URL:https://www.atlassian.com/ja
本記事はアトラシアン株式会社の発表をもとに作成。
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