隈病院、GLP systems Trackを国内医療機関初導入へ アボット調べ
兵庫県神戸市にある医療法人神甲会 隈病院は、2026年6月に血液などの検体を検査室内で自動搬送する検体検査の自動化システム「GLP systems Track」(製造販売元:アボットジャパン合同会社)を、国内の医療機関として初めて導入しました(2026年3月アボットジャパン合同会社調べ)。
1日600人を超える患者が来院する同院では、手作業で行われていた検体搬送や検査前準備を自動化するとともに、分析装置の更新を実施しました。検査をより正確かつ安定して提供できる体制を整え、臨床検査技師がより専門性の高い業務に取り組める環境づくりを進めています。
自走式ロボット「CAR」による検査工程の自動化
隈病院では、採血した血液などの検体を用いて甲状腺ホルモンや肝機能などさまざまな項目を調べています。従来の検査では、採血した検体を検査室内へ運び、血液を回転させて成分を分ける遠心分離などの前処理を行ったうえで分析装置にかけ、結果を確認するという複数の工程が必要でした。
導入された「GLP systems Track」では、小型の自走式搬送ロボット「CAR」が専用のレール上を走行し、検体を必要な場所へ自動で搬送します。検体の搬送から前処理、分析装置への受け渡しまでを自動化することで、取り違えや作業のばらつきといった手作業で起こりうるミスを防ぎ、正確な検査へつなげます。なお、検査結果の最終確認はこれまでどおり臨床検査技師が行います。
今回のシステムは、一般的なベルトコンベアのように1つのラインですべてを運ぶ方式ではなく、複数の「CAR」がそれぞれ独立して動作します。そのため、一部でトラブルが発生した場合でも影響を抑えて運用できる仕組みです。


さらに、血液中の甲状腺ホルモンや肝機能などの成分を測定する分析装置を生化学・免疫インテグレーション装置「Alinity i システム Cl₂」に更新し、複数の分析装置を組み合わせました。検体搬送から分析まで検査室全体の流れを見直すことで、一部の機器に不具合が生じても検査全体への影響を抑え、安定して検査を提供できる体制を整えています。
専門性の高い検査や臨床研究への注力

検体検査の自動化によって搬送や準備作業の負担が軽減されることから、隈病院では生まれた時間を臨床検査技師が専門業務に取り組むための時間として活用していく考えです。今後は遺伝子検査の強化や臨床研究の充実など、甲状腺専門病院として必要とされる検査・研究分野にも注力する予定としています。
今回の自動化は機器への業務代替のみを目的とするものではなく、患者への安定した検査提供と、専門性を生かせる業務環境づくりの一環として位置付けられています。
医療法人神甲会 隈病院の概要

- 施設名: 医療法人神甲会 隈病院
- 所在地: 兵庫県神戸市
- 開院: 1932年
- 診療特徴: 橋本病・バセドウ病・甲状腺がんなど、甲状腺疾患に特化した専門医療を提供
本記事は医療法人神甲会 隈病院の発表をもとに作成しています。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



