コミックス・ウェーブ・フィルムがDropboxを導入 知的財産の保護と業務効率化へ
アニメーションスタジオの株式会社コミックス・ウェーブ・フィルム(CWF)は、セキュアなファイル共有環境の構築を目的に「Dropbox Advanced」を採用し、2025年5月より運用を開始しました。外部クリエイターとのデータ共有において課題となっていた知的財産の漏えいリスクを抑え、制作現場の生産性向上とシステム管理者の負担軽減を図っています。導入後は劇場アニメーションの制作プロセスでも活用されており、今後はファイル共有方法の一本化を進める方針です。


FTPサーバ運用におけるセキュリティと管理の課題

CWFは、新海誠監督作品をはじめとするアニメーション映画などの企画・制作から劇場配給、海外セールス、作家マネジメントまでを一貫して手掛けています。作品制作では作画、編集、音響制作などを担う協力会社やフリーランスのクリエイター、配給会社、広告会社などと多くの中間成果物を共有して進める体制をとっています。
従来は長年FTPサーバを利用して大容量ファイルのやり取りを行っていましたが、データ暗号化などの仕組みが不十分でセキュリティ面に不安を抱えていました。また、ユーザアカウントの共有が常態化していたためログからのユーザ特定が困難で、インシデント発生時の調査や復旧への懸念もありました。同社のIT運用を支援するSUNITED 株式会社の丸山拓氏によると、FTPサーバの外部公開運用に伴う継続的なリスク対策や管理負荷の増大も課題となっていました。

Dropbox Advancedの採用理由とアカウント配布
同社は新たなファイル共有手段としてDropbox Advancedの採用を決めました。データの暗号化に加え、閲覧専用URLによる共有範囲の細かな制御、アクティビティログや監査機能、365日間*¹のデータ復元機能などを備えている点が評価されました。さらに、アニメーション制作業界で広く利用されており、同社がマネジメントする新海誠氏も使用しているなど親和性が高かったことも決め手となりました。
運用の開始にあたり、制作部や事業部の社員全員となる約40人にアカウントを配布しました。アカウント共有や外部の無償ファイル共有サービスの利用を防ぐ狙いがあります。現場ユーザへの導入研修を1度実施したのみで移行はスムーズに進み、特別な追加サポートを必要とせずに定着したとしています。
制作現場での活用実績と管理負担の軽減
導入後は、不要になったアカウントの削除が管理者画面から容易に行えるようになったほか、FTPサーバ利用時に比べて操作や接続性に関する問い合わせが激減し、管理負担が大きく削減されました。
直近では、2026年8月に劇場公開された片野坂亮監督の「しらぬひ」の制作プロジェクトでも活用されました。本作はカット*²総数が300以上にのぼり、膨大なファイルのやり取りが発生しましたが、閲覧専用リンクや1度に最大100GBのデータを送信できる「Dropbox Transfer」などを使い分けて運用されました。1アカウント当たり5TB*¹のディスクスペースと通信速度により、数百GBに及ぶファイルも支障なく扱えたとされています。
今後の展望と新機能の検討
同社は今後、制作プロセスにおけるファイル共有方法をDropboxへ一本化していく予定です。また、動画コンテンツのレビュー時にIPアドレスや視聴日時などを透かしとして記録できる機能「Dropbox Replay」についても、情報漏えいの抑止や流出経路の調査に役立つとして前向きに活用を検討しています。
*¹ コミックス・ウェーブ・フィルムの契約プランの場合 *² 切れ目のないひと続きの映像
本記事はDropbox Japanの発表をもとに作成されています。
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