京王電鉄バスなど、路線バスの現金取り扱い終了を目指し実証運行を全エリアへ拡大
東京都府中市に本社を置く京王電鉄バス株式会社および京王バス株式会社(代表取締役社長井上晋一)は、国土交通省が推進する完全キャッシュレスバスの実現に向け、実証運行の対象エリアを拡大する。2027年11月より路線バス(一部のコミュニティバスを除く)における「運賃収受における現金の取り扱いを終了」を目指す取り組みの一環として実施される。両社は2027年度中の「運賃収受における現金取り扱い終了」を掲げており、準備を本格化させている。

実証運行の対象を路線バス全エリアへ拡大

両社は2026年9月16日より、中野営業所、永福町営業所、調布営業所、桜ヶ丘営業所が管轄する路線において「完全キャッシュレスバス実証運行」を実施している。
2027年1月16日からは、実証運行の対象エリアを路線バスの全エリアへ拡大する(一部のコミュニティバスを除く)。これまで進めてきたクレジットカードタッチ決済「クレカ乗車」の導入や実証運行などを通じて現金利用が減少するなど、乗客側の理解や協力が進んでいる状況を踏まえた対応となる。
決済手段と車内チャージの取り扱い
実証運行エリアの路線バスにおける運賃支払い方法は、以下のキャッシュレス決済手段に対応し、現金の取り扱いは行われない。
- 交通系ICカード(PASMO、Suicaなど)
- クレジットカードなどによるタッチ決済(注:Visa、Mastercard®、JCB、American Express、Diners Club、Discover、銀聯)
- シルバーパス
- 定期券
- その他(一日乗車券や企画乗車券、デジタルチケット)
クレジットカードなどのタッチ決済は、現在、中野、永福町、調布、桜ヶ丘営業所で管轄する路線で取り扱っており、2026年12月より全営業所へ拡大する予定としている。
なお、車内チャージの取り扱いは当面の間継続され、取り扱い終了時期については別途通知される。バス乗車前に鉄道駅やコンビニなどでチャージを行うことや、車内チャージを必要としないモバイルデバイスの利用、鉄道の改札機で自動的にチャージされるオートチャージサービスの利用が案内されている。
完全キャッシュレスバス推進の目的

京王バスは「完全キャッシュレスバス」を新たな挑戦と位置づけており、単なる決済方法の変更にとどまらず、バス移動そのものの快適性向上を目的としている。キャッシュレス決済によるスムーズな乗降は乗降時分の短縮や定時運行の維持につながるほか、小銭の用意や残高不足といった支払い時の負担を解消するとしている。
また、運賃機に関わる業務を減らすことで、安全運行を支える運転士の負担軽減や経営の効率化に直結し、限られた人手の中で地域に向けた安定したバスサービスを将来へ維持するための重要な取り組みとしている。京王電鉄バスグループは、国土交通省が主催する「完全キャッシュレスバス推進協議会」にも参画している。
完全キャッシュレス化に向けたこれまでの主な取り組みと今後のスケジュールは以下の通りである。




- 2025年 1月:国土交通省「令和6年度完全キャッシュレスバス実証運行」に参画(味の素スタジアム~調布駅北口の系統で実施、継続中)
- 2025年 3月:「クレカ乗車」サービスを調布営業所車両で初めて導入(一部のコミュニティバスを除く)
- 2025年10月:ニュースリリース「路線バスの完全キャッシュレス化をすすめます」を発出、特設サイトを開設、運賃機現金投入口に開閉式の蓋を設置
- 2026年1月:国土交通省「令和7年度完全キャッシュレスバス実証運行」に参画(生活路線3線:調布駅北口~深大寺、つつじヶ丘駅北口~深大寺、千歳烏山駅~千歳船橋駅で実施、継続中)
- 2026年3月:「クレカ乗車」サービスを中野・永福町・桜ヶ丘各営業所の車両へ拡大(一部のコミュニティバスを除く)
- 2026年9月:実証運行エリアを中野・永福町・調布・桜ヶ丘各営業所に拡大(一部のコミュニティバスを除く)
- 2026年12月:「クレカ乗車」サービスを路線バス全エリアに拡大予定(一部のコミュニティバスを除く)
- 2027年1月:実証運行エリアを路線バス全エリアに拡大予定(一部のコミュニティバスを除く)
- 2027年11月:運賃収受における現金の取り扱い終了予定(一部のコミュニティバスを除く)

本記事は京王電鉄バス株式会社および京王バス株式会社の発表をもとに作成。
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