山梨県が富士山古の登山道の魅力伝える講演会を開催 野口健氏らが登壇
山梨県は10月3日、富士吉田市内で富士山五合目以下に残る歴史ある登山道「古の登山道」の魅力を伝える講演会を開催しました。当日は240人が参加し、学芸員の杉本悠樹氏とアルピニストで環境活動家の野口健氏が登壇しました。参加者は、麓から山頂へと続く登山道の価値や、自然・文化・信仰を体感しながら歩く富士山の楽しみ方について理解を深めました。
信仰の歴史と麓から富士山を目指す意義を解説

第1部では、富士河口湖町教育委員会生涯学習課 学芸員の杉本悠樹氏が「昔の人は、なぜ麓から富士山を目指したのか」と題した講演を行いました。杉本悠樹氏は自身の調査研究をもとに、かつての人々が富士山を目指した背景にある信仰や歴史、文化について解説しました。
講演では、富士山を麓から「草山」「木山」「焼山」という信仰世界に区分し、五合目の森林限界より上に広がる「焼山」は神仏の世界、すなわち黄泉の国と捉えられていたことが説明されました。杉本悠樹氏は、こうした信仰の景観の中を一歩ずつ進むこと自体に麓から登る大きな意味があったと語り、現代でも古の登山道を歩くことで標高による植生や景観の変化を楽しみながら、かつての信仰登山を追体験できるとその魅力を呼びかけました。
野口健氏が語る富士登山の未来と新たな楽しみ方
第2部では、アルピニスト・環境活動家の野口健氏による「古の登山道から考える富士山の未来」と題した講演が行われました。野口健氏は、エベレスト登頂をはじめとする自身の登山経験や長年取り組んできた環境保全活動を踏まえ、富士山の自然や文化、環境保全、これからの富士登山のあり方について語りました。
講演の中で野口健氏は、世界文化遺産となった富士山が抱える課題を振り返りながら、かつて人々が大切にしていた自然や神への畏敬の念、麓から歩いて山頂を目指すことの意義に言及しました。その上で、豊かな自然や歴史、文化が息づく五合目までの古の登山道の魅力を紹介し、山頂を目指すだけではない新たな楽しみ方として、自分だけの富士山の魅力を発見する「富士ビュートレイル」の考え方を参加者に示しました。
周遊観光の促進に向けた古の登山道の復興と活用
参加者からは「富士山の歴史や文化への理解が深まった」「古の登山道を実際に歩いてみたい」といった感想が寄せられました。
山梨県では、五合目以下に残る歴史ある「古の登山道」の復興・活用を通じて、富士山の新たな魅力発信と周遊観光の促進に取り組んでおり、今回の催しもその一環として実施されました。今後のイベント情報は、富士山麓・古の登山道ホームページで随時発表される予定です。
開催概要
- 日時:2026年10月3日(土) 14:00~16:00
- 場所:富士吉田市民会館 ふじさんホール 大ホール(山梨県富士吉田市)
- 参加者:約240人
本記事は山梨県の発表をもとに作成しています。
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