堀場製作所のCO₂評価装置CCEVAがRITEの炭素回収技術評価センターに採用
株式会社堀場製作所が開発したCO₂吸脱着評価装置「CCEVA(シーシーエヴァ)」が、公益財団法人地球環境産業技術研究機構(RITE)の炭素回収技術評価センターに採用された。同センターは、実際の燃焼排ガス(実ガス)を用いてCO₂吸着材を評価できる国内初※の拠点であり、評価基盤として同装置を活用して2026年11月に本格運用を開始する予定だ。同社は装置の納入を通じてRITEの取り組みを支援し、CO₂分離・回収技術の社会実装の加速に貢献するとしている。 ※ 2026年10月時点、RITE調べ
採用の背景とCCUS技術への対応
カーボンニュートラルの実現に向けて、CO₂排出量の削減だけでなく、CO₂の回収・有効利用・貯留を行うCCUS(Carbon Capture, Utilization and Storage)技術の重要性が高まっている。発電や産業プロセスなどの幅広い分野でCO₂分離・回収技術の研究開発が進む中、発生源や濃度に応じた多様な分離・回収手法が用いられており、吸着材や分離膜の材料特性に応じて性能や耐久性を高精度かつ高い再現性で評価できる試験へのニーズが増加している。
こうしたニーズに対し、さまざまな試験条件下でCO₂の吸脱着・分離評価を1台で実施でき、自動運転による長期耐久試験にも対応して信頼性の高いデータ取得を支援する点が評価され、今回の採用につながった。
試験ガス生成から分析までをワンパッケージ化
CCEVAは、CO₂の分離・回収技術に用いられる吸着材および分離膜の性能や耐久性を評価する装置である。CO₂排出源を模擬した試験ガスの生成、設定条件に応じたガス供給制御、吸脱着試験、分離後のガス分析といった一連の工程を1台で完結できる。
従来は複数の機器を組み合わせて評価システムを構築する必要があったが、必要な機能を統合したことで、システム設計にかかる負荷や工数の低減に寄与する。また、CO₂濃度、温度、圧力、流量などの条件を柔軟に設定できるほか、試験ガスへの水分添加も可能となっており、加湿したガスを供給することで吸着材や分離膜の特性および評価目的に応じた多様な試験に対応する。
自動運転による長期・耐久試験の標準化
CO₂吸着材や分離膜の開発現場では、試作や改良を重ねながら再現性の高い試験データを取得することが求められる。CCEVAは、各種パラメーターやフローを一括制御して多様な試験手順のプログラムを自動実行できるため、プロセスの自動化と標準化によって作業者間のばらつきを抑え、再現性の高いデータを取得できる。
さらに、24時間連続の自動運転に対応しており、長時間の劣化耐久試験などでも設定条件を維持しながら安定した運転を継続できるため、研究開発現場の省人化にも寄与する。
評価拠点を運営するRITEの概要
今回の導入先であるRITEは、地球環境問題の解決に貢献する技術の研究開発と社会実装を推進する機関であり、CO₂分離・回収技術の研究開発支援や評価基盤の整備を進めている。
- 機関名:公益財団法人地球環境産業技術研究機構(RITE)
- 本部:京都府木津川市木津川台
- 理事長:山地 憲治
同機構の炭素回収技術評価センターは、実ガスを用いてCO₂吸着材および分離膜を評価する国内初※(※ 2026年10月時点、RITE調べ)の拠点として2025年に開設された。京都市南区に本社を置き代表取締役社長を足立 正之が務める株式会社堀場製作所は、同装置の提供を通じて、実ガスを用いたCO₂分離素材の共通評価基盤構築を目指す同機構の取り組みを支援していく方針だ。
本記事は株式会社堀場製作所の発表をもとに作成されています。
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