経営層の45%が1年以内のAI統合予想も人財戦略明示は36% アデコ調査
総合人事・人財サービスを展開するアデコは、Adecco Groupが世界のビジネスリーダーを対象に実施した年次調査レポート「The human premium: Leadership beyond the algorithm(AIにない人間ならではの価値:アルゴリズムを超えるリーダーシップ)」の日本語訳版を公開しました。調査の結果、経営層の45%が今後1年以内にAIエージェントがワークフローに統合されると予想している一方で、人財戦略として明確に示している企業は36%にとどまるなど、AI活用への意欲と人財の準備状況との間にギャップがあることが明らかになりました。
AI導入への期待と組織の認識に乖離
日本を含む13カ国2,000人の経営幹部層(所属従業員数860万人以上)を対象とした調査では、経営層の45%が1年以内にAIエージェントがワークフローに組み込まれると予想しているのに対し、同様に考える働き手は30%にとどまりました。
また、働き手の70%はAIエージェントとの協働に前向きであると回答しているものの、経営層でそれを認識している割合は39%にとどまっています。AIエージェントが経営レベルの重要課題として位置づけられる中、組織内でのコミュニケーションや認識の共有が追いついていない実態が示されています。
Adecco GroupのCEOであるデニ・マシュエル氏は、テクノロジーの進化に対して組織内の信頼構築には時間がかかる点を指摘し、成功する企業はテクノロジーに透明性や説明責任、人々が適応するための明確な道筋を組み合わせることができる企業であると述べています。
成果創出に向けた「信頼」「スキル」「リーダーシップ」の不足
調査では、自組織が変化に対応するためのデジタルスキルや能力開発を進められていると強く確信している経営層は22%にとどまりました。さらに、AIがもたらすリスクと機会を理解するスキルや知識を十分に備えているとした経営層は31%でした。
AIが働き手に新たな機会をもたらすことを人財戦略として明示している企業は36%、職務の再設計に従業員を直接関与させている企業は39%にとどまっており、多くの組織でAIが職務やキャリアに与える影響についてのコミュニケーションが不足している状況が浮き彫りとなっています。
レポートでは、人を中心に据えてテクノロジーを活用し戦略的価値を創出する「未来対応型組織」と呼ばれる企業群について言及しています。この定義に該当する企業の割合は過去1年で4ポイント減少したものの、該当組織の49%が従業員の信頼を測定するアプローチを採用(その他組織は18%)し、76%が高い適応力を備えた働き手を有している(その他組織は42%)と回答しました。
レポートはビジネスリーダーに対し、以下の3つの優先事項を提示しています。
- AIロードマップの策定と明確な伝達
- 職務やスキルの変化を理解するための早期からの従業員の巻き込み
- 人財データの活用、透明性のあるガバナンス、重点的なスキル投資を通じた信頼と適応力の向上
日本企業における現状と課題
日本における調査結果では、今後12か月以内のAIエージェント業務組み込みを予想した割合は40%と世界平均(45%)を下回りました。また、AIが従業員にもたらす価値を人財戦略の中で明確に位置付けている企業は28%(世界平均36%)、自社の従業員が仕事と組織のパーパスや成功とのつながりを理解しているとした割合は32%(世界平均44%)となっています。
日本ではAI導入への期待に対して、その価値や意義を組織全体に共有し、理解や共感を醸成することが課題として挙げられています。
調査レポートおよび会社概要
本調査レポートは、アデコのウェブサイトからダウンロードが可能です。
- レポート英語版:https://discover.adeccogroup.com/C-suite_AI_Research26
- レポート日本語訳版:https://www.adeccogroup.jp/-/media/images/adeccogroup/power_of_work/report/c-suite_ai_research26_jp.pdf
アデコ株式会社
- 所在地:東京都千代田区
- 代表取締役社長:平野 健二
- 事業内容:総合人事・人財サービス
The Adecco Group AG
- 本社所在地:スイス・チューリッヒ
- 上場市場:SIX Swiss Exchange(証券コード:ADEN)
本記事はアデコ株式会社の発表をもとに作成しました。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



