三菱電機と武蔵エナジー、鉄道向け次世代蓄電で提携
三菱電機と武蔵エナジーソリューションズが、次世代蓄電デバイスや鉄道業界向け次世代蓄電モジュールとバッテリーマネジメントシステム(BMS)に関する業務提携及び共同開発契約を締結した。近年、カーボンニュートラルの実現に向けて、鉄道業界ではCO2排出量や消費電力の削減、設備のスリム化を実現するために、蓄電技術を活用した環境配慮型車両や電力のピークシフトの需要が高まっている。
三菱電機は鉄道車両用電機品において国内外で高いシェアを持ち、武蔵エナジーソリューションズは2011年に世界に先駆けてハイブリッドスーパーキャパシタ(HSC)の量産を開始した。今回の契約に基づき、武蔵エナジーソリューションズが提供する次世代蓄電デバイスに、三菱電機が耐振動・絶縁・防水性能等を付与し、従来品よりも小型化された次世代蓄電モジュールを新たに共同開発する。
次世代蓄電デバイスは、リチウムイオン電池では実現できない高い出力密度と、HSC以上の高い容量密度を実現しつつ、HSCと同等の長寿命・高安全性を追求した革新的な性能を提供する。これにより、次世代蓄電モジュールは、鉄道車両のブレーキ時に発生する高い回生電力の吸収や走行電力の出力に最適な出力密度・容量密度を保有することが可能となる。
両社は、三菱電機の小型で省エネ性能の高いパワーエレクトロニクス機器の製造技術、高精度な蓄電池の状態推定、SOC・SOH技術と、武蔵エナジーソリューションズのHSC開発で培ったプレドープ技術を融合した、次世代蓄電モジュールとBMSの提供を通じて、鉄道事業におけるCO2排出量や消費電力の削減、設備のスリム化を実現し、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献していく。