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AIで価値を創出する企業は約半数に~BCG調査

BCG調査で企業の約半数がAIから価値創出と判明 統制整備には課題も

CATEGORY: テクノロジー

経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(BCG)は、企業のAI導入とその効果に関するグローバルレポート「Applied AI Index 2026」を発表した。調査によると、企業のAI活用は実験段階から価値創出の段階へと移行しつつあり、約半数の企業がすでにAIから価値を生み出していることが明らかになった。一方で、AIエージェントへの権限付与が進む中、必要な統制を整備できている企業はわずか5%にとどまっている。

AI活用成熟度が向上し約半数が価値創出段階へ

レポートでは、人材やオペレーティングモデル、テクノロジー・データ基盤などAIに関する基礎能力を示す41の指標から、企業のAI活用成熟度を「停滞」「発展途上」「拡大」「先進」の4段階に分類している。

昨年と比較すると、AIの取り組みをほとんど行えていない「停滞」段階の企業が14%から4.5%へと大幅に減少した。一方、AI活用を価値につなげつつある「拡大」段階は35%から41%へ、継続的に大きな財務的価値を創出する「先進」段階は5%から7.5%へと増加している。「拡大」と「先進」を合わせた約半数のリーダー企業が、すでにAIから価値を生み出している状況にある。

さらに、「先進」企業は「後進(停滞および発展途上)」企業と比較して、売上高成長率は2.4倍、3年間のTSR(株主総利回り)は2.3倍、EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)成長率は2.8倍となり、持続的な価値と競争優位性を創出しているとしている。

AIエージェントの自律性拡大と統制面の課題

調査では、42%の企業が2030年までにAIエージェントに対し、人間の承認なしでの意思決定を含む実質的な自律性を持たせると回答した。また、AIが創出する価値全体に占めるAIエージェントの割合は、2026年の22%から2030年には39%へ拡大すると予想されている。

その一方で、AIエージェントに必要な統制をすべて整備している企業はわずか5%にとどまっている。レポートでは安全な活用に向けて、以下の6つの統制が必要であると指摘している。

  • AIが蓄積・活用する情報と文脈情報の管理
  • 権限範囲の設定と人による監督
  • 評価とロールバックの仕組みの構築
  • ツールとAPI連携の標準化
  • 部門横断での責任の所在の明確化
  • セキュリティ・監査・コストに関するガードレールの導入

仕事の再形成と中間管理職への影響

企業はAIの活用により、2030年までに全体で約10~15%の人員減少を見込んでいる。その影響は主に中間管理職や現場のリーダー層に集中しており、約半数の企業がこれらの層で10%以上の人員減少を予想した。対照的に、シニア層や事業部門・機能部門のリーダーについて10%以上の縮小を予想する企業は約4分の1にとどまる。

雇用全体への見方としては、89%の企業がAIによって新たな仕事が生まれると予想しており、主に既存の仕事を代替すると予想する企業は11%だった。先行するリーダー企業の7割はすでに社員のリスキリングを行っており、調査対象企業全体におけるAI専任職に就く従業員の割合は、2026年の7%から2030年には22%へと約3倍に増加する見込みとなっている。

BCGのグローバルAIリーダーであるニコラ・デ・ベルフォンズ氏は、約半数の企業が実際に価値を創出する一方で多くの企業が投資の成果創出に苦戦している実態に触れ、AIによる価値を事業全体に広げることとガバナンスの確立がいま取り組むべき課題であると指摘している。

調査の概要

  • 調査レポート:Applied AI Index 2026
  • 調査期間:2026年6月1日~8月15日
  • 調査機関(調査主体):ボストン コンサルティング グループ
  • 調査対象:世界60カ国以上、20以上の業種に属する企業での経営層およびシニアリーダー
  • 有効回答数(サンプル数):1,330
  • 調査方法(集計方法、算出方法):アンケート調査

本記事はボストン コンサルティング グループの発表をもとに作成。

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