シーイヤーら、聴覚支援デバイスでDNN雑音除去と入出力遅延2ms達成を発表
東京都台東区に本社を置くシーイヤー株式会社(代表取締役:村山好孝)は、リオン株式会社および東京電機大学システムデザイン工学部デザイン工学科 渡邉研究室との共同研究成果を、国際補聴器学会IHCON 2026で発表した。DNN雑音除去を組み込んだ聴覚支援デバイスにおいて、実験環境下で入出力遅延2 msを達成した。シーイヤーがIHCONに参加するのは2022年、2024年に続いて3度目となる。

実験環境下で入出力遅延2 msを達成
オープン型聴覚支援デバイスにおいては、直接音に比べて処理音が遅れて聞こえることにより、着色された音色や音のダブり感が使用感を損ねることが知られている。

今回の研究発表では、サイドブランチ構造上に実装されたWDRCとDNN雑音除去をSnapdragon® S7+ Gen 1 Sound Platform(Qualcomm® QCC7228)を搭載したQualcomm社のリファレンスデザイン機に組み込み、実験環境下にて入出力遅延2 msを達成した。主観評価実験により人が6 ms以下の遅延に気付くことができないことを実証しており、入出力遅延2 msはこの基準をクリアしていることから、遅延に違和感を感じないDNN雑音除去を含む収音再生処理の土台の構築に成功したとしている。発表内容には、シーイヤーが持つマルチスピーカーによる騒音場再生技術を利用し、遅延が与える違和感とDNN雑音除去による聞き取りやすさの改善度合いを調べた主観評価実験も含まれている。
自然な聴覚の拡張を目指した今後の展開
ポスター発表会場での実機デモを経て、今後は今回作成した収音再生処理の土台をブラッシュアップし、「自然な聴覚の拡張」の実現を目指して評価や開発を進めていくとしている。
学会発表およびIHCON 2026の概要
IHCONは補聴器および聴覚支援技術に関する国際会議で、2000年に第1回が開催され、隔年で8月に開かれている。世界中の病院、大学、企業から研究者、医師、オーディオロジストが参加しており、議題は聴覚支援アルゴリズム開発から音の増幅量に関する提案、多数のデバイス利用者を長期間追跡して行う主観評価、市場の調査まで多岐にわたる。IHCON2026の参加人数は延べ246名で、うち日本人は4名だった。
発表の詳細は以下の通り。
- 学会名: International Hearing-Aid Research Conference 2026(IHCON 2026)
- 開催期間: 2026年8月5日~9日
- 開催地: カナダ・バンフ
- 発表形式: ポスター発表
- 発表タイトル: Low-Latency DNN-Based Noise Reduction on a Hearing Assistance Device Using Side-Branch Architecture with Frequency Warping Filter Bank
- 共同発表: シーイヤー株式会社、リオン株式会社、東京電機大学システムデザイン工学部デザイン工学科 渡邉研究室
シーイヤー株式会社(Cear, Inc.)は、音響信号処理技術を提供する企業である。自社製品(Cear pavéなど)の開発・販売のほか、企業への技術提供や製品への組み込み、共同開発・技術支援を通じて音響技術の実用化に取り組んでいる。
- 会社名: シーイヤー株式会社 (Cear, Inc.)
- 代表者: 代表取締役 村山 好孝
- URL: https://www.cear.co.jp/
本記事はシーイヤー株式会社の発表をもとに作成されています。
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