株式会社Integral、2025年9月以降に国内で公表されたサイバー攻撃・情報漏えい事案を、技術の視点で整理した公開データベース「Integral Security Report」を公開
Integral、サイバー攻撃や情報漏えい事案の公開データベースを無料公開
CATEGORY: テクノロジー
ソフトウェア開発やプロダクトマネジメントを手がける株式会社Integralは、国内で公表されたサイバー攻撃や情報漏えいの事案を収録・分析する公開データベース「Integral Security Report」を公開しました。公表資料をもとに、2025年9月以降に公表された事案が400件以上収録されており、誰でも無料で閲覧できます。新しい事案は週2回を目安に追加され、続報に合わせた更新も行われます。
技術的観点から共通項目で事案を整理
Integral Security Reportは、各組織の公表資料を一件ずつ確認し、技術的な観点で同じ項目に整理し直したデータベースです。被害の件数やお詫びにとどまらず、個別の事案の調査や事案ごとの比較、業種や手口の傾向把握を可能にしています。
侵入経路、攻撃手法、漏えいした情報の種類、影響件数、業務停止の有無と期間、公表までの経緯などを全事案の共通項目として記録しています。公表資料に書かれていない項目は推測で補わず、「書かれていない」事実をそのまま記録する方針をとっています。一次資料を優先して被害組織のお知らせや調査報告、適時開示、行政機関の公表資料などを参照し、各事案ページに出典を掲載しています。
トップページでは、月別の収録件数、侵入経路が公表されない割合、業種ごとに多い手口、ランサムウェアによる業務停止日数の分布などをグラフで確認できます。また、調査中の大きな事案は続報を確認して更新し、最終確認日時を表示するほか、企業向けに確認しておきたい5つのポイントや、漏えいした情報の種類に応じた個人向けの対応、専門用語の解説ページも設けています。
収録データから見えた主な傾向
2026年10月16日時点の収録データ分析によると、収録461件のうち248件(54%)で侵入経路が公表されていませんでした。また、製造業の事案54件のうち30件(56%)がランサムウェアによる被害でした。
漏えいがあった事案の中では、「漏えいしたおそれ」にとどまったものが234件あり、「漏えいを確認」の114件の約2.1倍に達しています。ログが残っておらず、持ち出された対象を確かめられない状況が背景の一つと考えられています。さらに、委託先やクラウドサービスでの事故が他の組織へ被害を広げた事案が86件あり、波及先が判明した事案では1件あたり中央値7組織に影響が及んでいました。攻撃などを検知してから最初に公表するまでの期間は中央値で5日となっています。
なお、これらの割合は2026年10月16日時点の収録事案をもとにした値であり、国内で発生したすべての事案の件数を示すものではありません。公表されていない事案や同社が把握できていない事案は含まれていません。

企業が確認したい5つのポイント


収録事案の分析を踏まえ、同社は企業が確認すべきポイントとして以下の5点を挙げています。
- 外部から到達できる機器・サーバ(VPN機器など)の把握と、緊急パッチの適用期限
- VPN・クラウド・管理画面への多要素認証の導入と、退職者・委託先アカウントの棚卸し
- 委託先・SaaSの一覧化と、事故発生時の連絡体制・契約上の取り決め
- メールの誤送付・クラウドの公開設定ミスを、人の注意ではなく仕組みで防ぐこと
- アクセスログを少なくとも1年分、改ざんされない場所に保管すること

生成AIを活用した調査・編集体制と代表コメント
本レポートでは、公表資料の収集と下調べに生成AIを活用しており、掲載にあたっては同社の担当者が出典と照らし合わせて内容を確認しています。非公開情報や関係者への取材に基づく情報は扱っていません。
代表取締役の守 宏知氏は、生成AIによって攻撃側の手間や難易度が下がり、修正されていないVPN機器や多要素認証のないアカウント、管理の行き届かない委託先といった以前からの弱点が業種や規模を問わず狙われていると指摘した上で、守る側もAIを活用して事実を速く集めて整理・共有する必要があると述べています。
Integral Security Reportの概要は以下の通りです。
- 名称:Integral Security Report
- URL:https://integral-inc.dev/security-report/
- 公開日:2026年10月15日
- 利用料金:無料(会員登録不要)
- 収録対象:国内で公表されたサイバー攻撃・情報漏えいの事案(2025年9月以降の公表分)
- 収録件数:400件以上(週2回を目安に追加・更新)
- 更新頻度:週2回を目安(社会的影響の大きい事案は随時)
- 主な内容:事例一覧、傾向のグラフ、企業・個人向けの注意点、用語解説
株式会社Integralは東京都中央区銀座に本社を置き、代表取締役を守 宏知氏が務めるソフトウェア受託開発、技術コンサルティング、プロダクトデザインを手がける企業です。
本記事は株式会社Integralの発表をもとに作成しました。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



