アフガニスタンで2027年に400万人超の子どもが治療必要に ユニセフ等警鐘
アフガニスタンで栄養分野の支援調整を行う「アフガニスタン栄養クラスター」の議長と共同議長を務めるユニセフ(国連児童基金)と国際NGO「アクション・アゲンスト・ハンガー」は、2026年10月13日にカブールで声明を発表した。アフガニスタン全土で急性栄養不良が深刻化しており、2027年には400万人を超える子どもが治療を必要とする見込みであると警鐘を鳴らしている。この数は過去5年間で最多となる。
2027年の栄養不良予測と危機の広がり

公表された急性栄養不良に関する総合的食料安全保障レベル分類(IPC)の最新分析によると、アフガニスタンの栄養状況は来年さらに悪化すると予測されている。栄養不良が危機的なレベルにあるとされる県の数は、2025年の7県から2026年には10県へと増加し、2027年にはアフガニスタンのすべての県の3分の1超に当たる14県に達する見通しだ。
この予測には、季節的な要因に加え、支援資金の急激な減少による予防的栄養サービス提供の縮小や、命を守る治療が途絶えるおそれがあることが反映されている。
重度の急性栄養不良が急増
IPCの分析では、重度の急性栄養不良(SAM)が最も速いペースで増加している。2027年にはSAMに陥る子どもが推定109万人と予測されており、2026年比で16%増となる。中程度の急性栄養不良の子どもは約300万人に上る見込みで、治療を受けられなければ命を落とす危険性や、疾病、発達の遅れのリスクが高まる。さらに同じ期間に、妊娠中や授乳中の女性約130万人も栄養不良に苦しむと予測されている。
南部地域では依然として極めて高い水準の急性栄養不良が記録されており、支援サービスの提供がニーズに追い付かず、子どもや妊娠中・授乳中の女性がより脆弱な状況に置かれている。

複合的な要因と支援体制の課題
危機の背景には多岐にわたる要因が存在する。生後6カ月から24カ月の子どものうち、適切な栄養バランスの食事を取れているのは3人に1人にすぎない。また、アフガニスタンの全世帯のほぼ半数が十分かつ安全な水の確保に苦慮しており、急性水様性下痢症やはしかといった予防可能な疾病の集団感染がリスクを押し上げている。さらに国境を越えた物流の混乱により、不可欠な栄養関連物資の供給に遅延が生じている。
ユニセフ・アフガニスタン事務所代表のタジュディーン・オイウェイルは、早期対応が命を守るとした上で、最も支援を必要とする子どもや家族へのサービス提供を続けるための持続的で予測可能な投資が必要であると訴えている。アフガニスタン栄養クラスターは、状況の悪化を防ぎ根本的な原因に取り組むため、迅速かつ持続的な資金投入が重要であるとしている。
組織概要
- ユニセフ(UNICEF:国連児童基金)
すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関。現在約190の国と地域(ユニセフ国内委員会が活動する32の国と地域を含む)で活動し、活動資金は個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられている(https://www.unicef.org )。
- 公益財団法人 日本ユニセフ協会
32の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つ。日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、広報、募金活動、アドボカシーを担っている(https://www.unicef.or.jp )。
本記事は日本ユニセフ協会の発表をもとに作成。
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