日本TCSが送配電事業者向けデータ統合基盤の構築支援サービスを開始
東京都港区に本社を置く日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社(代表取締役社長:サティシュ・ティアガラジャン、以下、日本TCS)は2026年10月13日、国内の送配電事業者を対象とした「エネルギーインテリジェンスプラットフォーム」(以下、EIP)の構築を支援するサービスの提供を開始したと発表した。
同サービスは、送配電網のIT、OT(運用技術)、ET(エンジニアリング技術)システムに蓄積されたデータを統合するデータ基盤の構築を支援するものだ。電力系統の安定運用や需給バランスの維持、レジリエンス向上に向けたデータ活用を後押しする。
老朽化と分散型エネルギー普及に伴う運用の複雑化が背景に
1950年代後半から1970年代の高度経済成長期に整備された国内の送配電網は、半世紀以上を経て設備とシステムの両面で更新期を迎えている。経年劣化に伴う更新投資の増加に加え、人手不足や熟練技術者の退職による技能継承が課題となっている。
さらに近年は、再生可能エネルギーや蓄電池、EVをはじめとする分散型エネルギーリソースの普及によって電力システムが複雑化している。AI活用やデータセンター拡大による電力消費の増大、激甚化する自然災害への対応なども重なり、電力系統の安定運用とレジリエンス向上が強く求められている。
こうした課題に対応するためには、設備保全や系統運用を担うOTシステムと、業務や経営を支えるITシステムのデータを統合・分析することが重要となる。しかし、国内の送配電事業者では段階的に拡張されてきた新旧システムが複雑に混在し、分散したデータを横断的に活用できない状況が続いていた。
IT・OT・ETを統合する主要コンポーネント群を連携
今回提供を開始したEIP構築支援サービスでは、国内送配電事業者が運用するIT、OT、ETシステムに合わせて各種コンポーネントを統合し、統合データ基盤を構築する。これにより、エネルギーエコシステム全体での情報連携と高度なデータ活用を目指す。
プラットフォーム構築に活用される主なコンポーネントは以下の通りとなる。
- SCADA (Supervisory Control and Data Acquisition):監視制御・データ収集システム
- EMS (Energy Management System):エネルギー管理システム
- ADMS (Advanced Distribution Management System):次世代配電管理システム
- DERMS (Distributed Energy Resource Management System):分散型エネルギーリソース管理システム
- Data Historian:データヒストリアン(設備やセンサー、SCADA、PLCなどから収集した運転データを長期間蓄積し、分析・可視化に活用)
- GIS (Geographic Information System):地理情報システム
- Asset Management:設備・保全管理システム
- OMS (Outage Management System):停電管理システム
- 電力シミュレーションソフトウェア
- 業務用アプリケーション
- AI・インテリジェンスレイヤー:各コンポーネントを横断し、AIによる予測・判断・自動化を支える共通レイヤー
専門チームを設置し構想策定から運用まで共創型で支援
日本TCSは今回のサービス展開にあたり、電力送配電分野に特化した専門チームを設置した。親会社であるタタコンサルタンシーサービシズ(TCS)は、電力・ガス・水道などのユーティリティ事業分野においてFortune Global 1000に名を連ねる60社以上の企業にサービスを提供している。国内でもAIを活用した火力発電所運営の最適化モデルの開発・導入実績を持つ。
日本TCSのインダストリアルオートノミー&エンジニアリング事業統括本部 副事業統括本部長を務める萩原輝彰は、構想策定から実装、運用まで顧客と共創型で取り組み、熟練技術者の知見をデータとして次世代へ引き継ぐ仕組みづくりを支援することで、日本の送配電事業の持続的な発展に貢献していく方針を示している。
日本タタ・コンサルタンシー・サービシズの概要
日本TCSは、ITとデジタル技術を活用したサービスやソリューションを展開している。
- 会社名:日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社
- 本社所在地:東京都港区
- 代表者:代表取締役社長 サティシュ・ティアガラジャン
- 人材規模:日本の各拠点およびインドの「日本企業専用デリバリーセンター(Japan-centric Delivery Center:JDC)」に総勢1万人
- ウェブサイト:www.tcs.com/jp-ja/
本記事は日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社の発表をもとに作成。
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