Q.ENESTホールディングスが初の系統用蓄電所を活用し需給調整市場へ参入
東京都港区に本社を置き張 熙載が代表取締役を務めるQ.ENESTホールディングス株式会社は、2026年10月より、同社初の系統用蓄電所であるQ.ENEST 佐野高圧蓄電所を活用して需給調整市場へ参入した。
同社は2026年5月より同施設で卸電力市場の価格変動に応じた充放電運用を行ってきたが、新たに一次調整力へ参入することで電力系統の周波数維持に必要な調整力を提供する。発電・電力小売事業で培った需給管理ノウハウと実運用で得た知見を組み合わせ、複数の電力市場に対応する蓄電池アグリゲーション事業の高度化を進める方針だ。
参入の背景と一次調整力の提供
再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、天候などによって変動する発電量と電力需要のバランスを保つための調整力の重要性が高まっている。蓄電池は充電と放電を通じて需給変動に柔軟に対応できることから、再生可能エネルギーの導入を支えるリソースとして期待されている。
一般送配電事業者が電力の需要と供給を一致させるための調整力を取引する需給調整市場において、一次調整力は電力系統の周波数変動に応じて迅速に応動する役割を担う。同社は同施設を活用して一次調整力を提供することで、蓄電池による収益機会の拡大とともに、電力系統の安定化や再生可能エネルギーの導入拡大に貢献していくとしている。
実運用拠点の知見をアグリゲーションサービスへ反映
Q.ENEST 佐野高圧蓄電所は、定格出力1,999kW、公称容量8,226kWhを備える系統用蓄電池である。同社は2026年5月より同施設を実際の市場環境下で運用し、市場価格に応じた充放電制御や需給管理を行っている(※1)。
同施設は同社が提供する蓄電池アグリゲーションサービスの高度化に向けた実運用拠点としても活用されている。市場運用を通じて得られたデータや知見を、AIによる市場予測や充放電制御、運用プロセスの改善に反映することで、事業者が保有する蓄電池の安定運用と収益最大化につなげているという。今回の参入により、卸電力市場に加えて需給調整市場での実運用ノウハウを蓄積し、複数市場を組み合わせた運用体制を強化する。
※1 2026年5月22日発表(https://www.qenest.com/news/20260522)
複数市場に対応するアグリゲーション体制の構築
同社はこれまで、太陽光発電所の自社運営、PPA事業、電力小売事業を通じてノウハウを蓄積してきた。2026年にはこれらの事業基盤と独自AIを組み合わせ、高圧1拠点から導入可能な蓄電池アグリゲーションサービスの提供を本格化させている。同サービスでは、卸電力市場、需給調整市場、容量市場、その他市場外契約を組み合わせた運用を目指している。
自ら蓄電池を保有・運用して得られる知見を今後のサービスへ還元するとともに、対応する市場やサービスの拡充、VPP事業の推進によるエネルギーリソースの統合管理を進め、日本のグリーントランスフォーメーション(GX)を推進していくとしている。
Q.ENEST 佐野高圧蓄電所の概要
- 所在地:栃木県佐野市
- 設備種別:系統用蓄電池
- 定格出力:1,999kW
- 公称容量:8,226kWh
本記事はQ.ENESTホールディングス株式会社の発表をもとに作成。
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