唐津市相知町横枕で佐賀大生ら第2回生物調査 井堰まつりで水生生物など確認
佐賀県唐津市のNPO法人唐津Farm&Food(代表理事:濵口のぞみ)は、2026年10月4日(日)、唐津市相知町横枕で第2回となる生物調査を実施した。環境省認定の佐賀県初の自然共生サイトである同地にて、佐賀大学システム生態学研究室の徳田誠教授の協力のもと、佐賀大学の学生4名が参加した。地域で年に一度行われる「井堰まつり」に合わせて水を落とした井堰内で水生生物などを調べ、魚類、エビ・カニ類、貝類、昆虫などが確認されたほか、希少な生きものも複数見つかった。

伝統行事「井堰まつり」に合わせて水生生物を調査

調査が行われた相知町横枕の厳木川には水位を調整するための堰があり、年に一度、底にたまった土砂を流すために水を落とす。その際に鮎やウナギ、ツガニなどを捕獲して地域で食べる行事が昔から続く「井堰まつり」である。
今回はこの機会に合わせて調査が実施され、午前中に学生が水を落とした井堰の中に入り、水生生物を中心に調査を進めた。当初は山や田んぼなど他の場所も調べる予定だったものの、多くの生きものが見つかったため午前中は井堰内での調査となった。保全のため確認された具体的な種名は公表されていないが、希少な生きものも複数確認された。

50匹以上の鮎を捕獲、赤外線カメラにはイノシシの姿も


近年は気候の変化や鵜などの影響により鮎が捕れない年が続いていたが、今回は学生4名が川に入り、50匹以上の鮎が捕獲された。食べる分だけを残して川へ返したあと、昼には捕った鮎を囲んで地域住民らとともにBBQが行われた。

午後には、8月の第1回生物調査で設置された赤外線カメラの見回りとSDカードの交換を実施した。徳田誠教授も合流して確認したデータの一部には、横枕を歩き回る大きなイノシシの姿が映っていた。
記録の発信と今後の調査計画
参加した学生のうち芸術分野を学ぶ1名は、生物調査で判明した自然や地域の暮らしを伝えるZINE(小冊子)やパンフレットづくりにも協力している。

NPO法人唐津Farm&Foodの副理事である木下翔太(横枕農園)は、調査を終えて「生物を『調べて終わり』にするのではなく、どんな生き物が暮らしているのか。なぜこの環境が残っているのか。地域の暮らしや文化と自然がどうつながっているのか。少しずつ記録し、地域内外の皆さんに伝えていきたいと思います」と述べている。また、同法人副理事の小嶋宏明も、地域の自然環境に詳しい佐賀大学の教員や学生とのつながりの重要性に触れている。
生物調査は季節を変えて年3回の計画で進められており、3回目は11月下旬を予定している。同一の手法で季節をまたいだ記録を重ねることで、横枕の環境に適した管理指標づくりにつなげていくとしている。

事業および関連概要
本調査および実施団体の概要は以下の通り。
- 事業名:相知町横枕自然共生区域 生物多様性モニタリング高度化・地域主体管理体制構築プロジェクト
- 制度:環境省 令和8年度 生物多様性保全推進交付金(生物多様性保全推進支援事業)
- 実施期間:令和8年6月1日〜令和9年2月28日
- 協力:佐賀大学 徳田誠教授(システム生態学研究室)、横枕地区のみなさん
- 対象区域概要:相知町横枕自然共生区域(佐賀県唐津市相知町、対象面積:36.67ha)。2023年度(令和5年度)後期に佐賀県初の環境省「自然共生サイト」認定を受け、2025年度に生物多様性増進活動促進法(増進法)に基づく認定へ移行。これまでの調査で約140種の生きものを確認(暫定値・精査中)。
- 団体名:NPO法人唐津Farm&Food
- 所在地:佐賀県唐津市東唐津3-7-22
- ウェブサイト:https://karatsu-f-f.com
- 調査紹介ページ:https://karatsu-f-f.com/30by30.html#yoko_67
- Instagram:https://www.instagram.com/preciousplastic_karatsu/
本記事はNPO法人唐津Farm&Foodの発表をもとに作成。
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