2027年秋の滋賀DCに向け比叡山とびわ湖を巡るモニターツアーを実施
滋賀県内で、2027年秋に予定されているディスティネーション・キャンペーン(DC)を見据えたモニターツアーが実施された。滋賀県の補助を受けて行われた取り組みで、観光客の分散化を図り、新たな観光コンテンツを創出することが目的とされている。世界文化遺産である比叡山と古代湖のびわ湖を結び、体験や制作を通じて地域を学ぶエコツアーの造成が試みられた。

観光客の分散と環境保全の理解を目指すエコツアー
コロナ禍以降、インバウンドを中心に大阪や京都エリアへ観光客が集中する問題が生じている。これに対し、観光客の分散化を目指して比叡山・びわ湖でのエコツアー造成が進められた。ツアーのコンセプトは、世界文化遺産である「比叡山」と世界に誇る古代湖「びわ湖」を結び、体験し、つくり、持ち帰るエコツアー「人と自然をつなぐ滋賀の旅」と設定されている。

近畿の水瓶として1,450万人の生活を支える日本最大の湖であるびわ湖には、周囲の山々から450本もの河川が流入している。比叡山もその一つであり、森が蓄え浄化した水が生活や産業を支えている。森林環境の維持やびわ湖の環境保全には、一部の木を計画的に伐採して光・水・養分を行き渡らせる「間伐」が寄与しているという。
延暦寺での座禅や修験道トレッキングを実施した1日目
ツアーは2日間の行程で組まれた。1日目は比叡山をフィールドとし、1200年以上におよぶ延暦寺の伝承文化を学びながらトレッキングを通じて山野の自然環境を体験する内容となった。
延暦寺では僧侶による法話と座禅体験が行われ、参加者は自身の呼吸の数に意識を集中させて心を静める修法である数息感(すそくかん)の説明を受けた。参加者からは、心を整えるという点でサウナと似ている部分があると感じたという声が寄せられた。トレッキングでは、現在も僧侶による手作業の修繕が施されている延暦寺の回峰行の修験道を歩き、山とびわ湖が一望できる景色などを確認した。
里山探索やカトラリー作り、カヌーを体験した2日目
2日目は里山とびわ湖へフィールドを移し、山・里・湖の循環を体験するプログラムが実施された。比叡山麓に位置する千野、仰木エリアでは、電動アシスト付自転車を用いて昔ながらの棚田などを巡るサイクリングが行われた。
昼食後には、400万年の歴史を有するびわ湖の成り立ちやこれまでの環境保全活動の歴史に関する説明を経て、比叡山の間伐材を彫刻刀で削るカトラリー作り体験が実施された。ツアーの最後には、参加者がカヌーでびわ湖に漕ぎ出し、水質浄化に寄与しているヨシ帯に入って生物や植物を観察しながら生態系を学んだ。カヌーは2人乗りでも参加できる形式がとられた。


検証を経て次年度に一般販売を予定


滋賀DCの開催は27年ぶりの大型キャンペーンとなる。JRグループと滋賀県、県内の市町や観光事業者などが連携し、2027年秋に向けて地域の魅力を全国に発信する計画が進められている。

今回のモニターツアーの結果は今後検証され、改善等を加えたうえで次年度にDC観光コンテンツとしての一般販売が予定されている。滋賀県周辺では来年にワールドマスターズゲームズ2027関西の開催も控えており、インバウンド需要の獲得も期待されている。
本記事は発表資料をもとに作成されました。
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