ドローンや音楽で魅力を拡張、日本橋丸玉屋が描く花火業界の未来

夏の夜空を彩る花火は、日本の伝統的な祭りの象徴として多くの人々に親しまれている。しかし、その演出技術や取り組みは日々進化を遂げ、単に打ち上げるだけではない新しい形を見せている。その先頭に立つ企業の一つが、株式会社日本橋丸玉屋だ。同社の新規事業担当者へのインタビューを通じて、その挑戦と未来像に迫った。

花火演出への特化革新

日本橋丸玉屋は、花火をどうやったら美しく見せられるか? 音楽と合わせ、細かくシンクロさせるなど、花火演出に特化した会社。一発一発の花火そのものの美しさを追求するばかりではなく、花火そのものをショーとして演出することに重きを置いている。

同社の取り組みは、花火タワーや地上に描く花火絵画といった斬新な企画が特徴だ。さらに、近年ではドローンを活用した新しい表現方法にも挑戦している。2023年から始めたドローン演出では、ドローンが空に図形を描き、花火がその迫力を補完する形で一体感を生むなど、デジタルとアナログの融合を追求している。

革新の軌跡と進化

日本橋丸玉屋の歴史の中で特筆すべきは、1995年に日本で初めてコンピュータ・プログラミングを駆使し、音楽と花火をシンクロさせたショーを実現した点だ。担当者によれば、「当時、海外で始まった音楽と花火を組み合わせたショーの影響を受けた」とのこと。これをきっかけに、日本における花火ショーの可能性が一気に広がったという。

現在、同社は音楽に合わせた精密な花火演出を行うため、プログラミングに精通したスタッフがチームを組み、1万発以上に及ぶ花火を細かく制御するショーを実現している。

ドローンとの共演、未来への可能性

ドローンを活用した花火ショーは、日本橋丸玉屋ならではの取り組みの一つだ。たとえば、ドローンで虹を描き、同時に花火が空に広がる演出は「どちらも単独では表現できない一体感を生む」と担当者。このようなドローンと花火の融合ショーは、他の業者に比べても新しい挑戦であり、主催者からも高い関心を集めている。

雨天時にはドローンが飛行できないケースもあるが、同社はその場合でも花火だけの演出プログラムを準備し、イベントを成立させる柔軟性を備えている。「どんな状況でも期待に応えられるのが強み」と胸を張る。

伝統を守りつつ、花火業界の未来を描く

日本橋丸玉屋の挑戦はこれにとどまらない。同社は、全国各地で年間500回以上のイベントを手掛け、常に新しい技術や表現方法を追求している。「これからも花火の可能性を探求し、観客に感動を届ける演出を続けたい」と、新規事業担当者。

時代とともに進化を続ける花火。その最前線を走る日本橋丸玉屋の取り組みは、伝統を守りつつも未来を切り開く、日本のエンターテインメント業界における輝かしい一例といえる。

日本橋丸玉屋 公式サイト
https://www.marutamaya.jp/

valvix

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