三笠製作所、ゴルフ場の目土作業を支援する小型自動運転車両の開発に着手
株式会社三笠製作所は、ゴルフ場のディボット補修に伴う目土作業を支援する、小型自動運転目土車両の開発に着手しました。夜間の時間帯を活用して一晩で対象となる目土作業の7割を完了することを目標に、コース管理の省力化を目指します。移動や目土材の運搬、供給を連携させることで、管理スタッフの作業負担軽減とコース品質の維持につなげる計画です。
自動走行と目土供給を連携する開発コンセプト
ゴルフ場の芝の回復を支えるディボットへの目土作業は、準備や運搬、投入量の調整など工程が多く、広いコース内を移動するためスタッフの時間と労力を要します。開発する車両は、関連会社で開発済みの小型自動運転車両をベースとした小型目土作業支援車両です。荷台に積載した目土材を後部の排出口から必要箇所へ供給する構成を想定しており、排出量や落下時の広がりを調整しながら作業を支援します。
目土方法に関する機構の構造設計はすでに完了しており、今後は実機での動作確認を通じて、目土材の性状や含水状態による流れ方、詰まりの発生、供給量の安定性などを検証する方針です。あわせて、芝への負荷や材料の補充、清掃や点検のしやすさも考慮した構成を目指します。

株式会社三笠製作所は、制御技術を基盤とした自動運転車両やロボットの開発実績を持っています。物流分野の課題解決を目指した自動運転ロボット「HAKOBOT」の開発に携わり、2018年には実験用初号機を公開しました。
また、アラブ首長国連邦のドバイ警察との共同プロジェクトでは、移動式交番「SPS-AMV(Smart Police Station–Autonomous Mobile Vehicle)」の開発に取り組み、2017年から開発を進めて2018年にコンセプトモデルを発表、2022年には2号機を納車しました。これらの実績で培った車両制御や機器統合の知見を、ゴルフ場向け車両の実用化に生かします。
5つの主な開発目標と検証項目
開発では以下の項目を中心に検証を進めます。なお、「一晩で7割」は開発目標であり実証済みの性能ではなく、対象範囲や作業量、稼働時間、使用台数、目土材の補充方法などは今後の検証を通じて具体化するとしています。
- 一晩で7割の目土作業完了を目指す:走行経路、作業時間、目土材の積載や補充、稼働体制などを検証します。
- 開発済みの自動運転車両と目土機構の統合:移動・停止・目土材の供給を連携させ、供給位置や投入量、落下時の広がりを確認して作業品質の安定化を図ります。
- 小型化と芝への配慮:車体重量、目土材の積載量、タイヤ、旋回方法などが芝に与える影響や、傾斜や地面の湿り具合に応じた走行条件を検討します。
- 安全性を重視した夜間運用:停止機能、緊急停止、作業区域の設定、監視・介入方法のほか、夜間の検知条件や管理車両との動線に配慮した体制を構築します。
- 補充・清掃・点検のしやすさ:目土材の積み込みや補充、排出量の調整、排出口の清掃、日常点検などの作業性を検証します。
開発状況と今後の進め方
今後は、開発済みの車両と設計済みの目土機構の統合を進め、ゴルフ場の傾斜、路面や芝の状態、天候、夜間の作業環境などを確認しながら適用できる作業範囲と運用条件を具体化していきます。
本発表は開発着手に関するものであり、製品名称、車体寸法、積載量、稼働時間、ゴルフ場での自動運転方式・監視体制、販売価格、提供開始時期は未定です。ディボットの自動検出や個別箇所への自動補修を含む具体的な自動化の範囲についても今後の検証を通じて決定され、開発状況により仕様や計画が変更となる場合があります。
本記事は株式会社三笠製作所の発表をもとに作成。
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