千代田化工建設と東京応化工業、生体模倣システムFluid3D-X®共同販売へ
千代田化工建設株式会社と東京応化工業株式会社は、生体模倣システム(Microphysiological Systems、以下「MPS」)「Fluid3D-X®」を共同で販売することに関する基本合意書を締結した。
両社は、東京応化工業が製造するMPSデバイス「Fluid3D-X®」の販売と合わせて、導入時の支援や導入後の技術サポートを共同で提供する計画だ。
動物実験削減や新薬開発の課題に対応する生体模倣システム
人に投与される物質の探索や開発では、物質の動態や安全性・薬効の評価において、マウスやサルなどの動物実験を中心とした手法が用いられてきた。特に医薬品分野における治験開始にあたっては毒性の有無を慎重に判断する必要があり、サルなどの大型動物による動物実験を経たうえで実施されている。
一方で、遺伝子・核酸・細胞といった新たなタイプの医薬品が開発されるなか、従来の検証手法では十分に薬効や安全性を評価できないという課題が生じている。さらに、昨今の動物実験削減の潮流からも、新しい評価手法(New Approach Methodologies:NAMs)が世界的に注目されている。

MPSはNAMsの一つとして認知されており、微小流路デバイスなどにヒトの臓器細胞を搭載することで生体内の環境を再現し、臓器の反応を予測する評価手法として課題解決への期待が寄せられている。
MPSは細胞を搭載するための微細な流路を含む機構で構成されており、高度な材料加工技術などのハード面への知見に加え、各種細胞の培養知見や薬効試験・安全性試験の評価系を構築する知見が求められる。
半導体の微細化を支えるフォトレジストの技術を有する東京応化工業と、各種の細胞を用いたCRDO事業および医薬品製造施設に求められる規制を踏まえた設計知見を持つ千代田化工建設が連携し、今回の基本合意書締結に至った。
導入支援から技術サポートまで共同で展開

両社は基本合意書の締結に伴い、MPSの活用を希望する顧客に向けて「Fluid3D-X®」の販売を行うとともに、導入時のトレーニングやデモンストレーションなどの各種導入支援、導入後の技術サポートを共同で提供していく方針だ。
MPSデバイスは海外製の製品が主流となっているが、まずは日本のユーザーからの要望に応えるため、導入ユーザーの声を通じて関係を構築し、製品・サービスの提供を進めるとしている。
両社における再生医療・創薬分野でのこれまでの取り組み
千代田化工建設は、再生医療分野における取り組みを進めている。昨年には筑波大学附属病院内に細胞培養加工施設(通称:TACT)を開設し、筑波大学内ラボおよび同社新子安ラボを連携拠点とする3拠点体制を構築した。これにより、基礎研究から開発、製造技術開発までを一気通貫で支援する共創パートナーへの伴走型CRDO事業を開始している。
東京応化工業は、非PDMS材料を用いたMPSデバイス「Fluid3D-X®」の開発・製品化を推進している。「Fluid3D-X®」は細胞培養チップと灌流培養システムを組み合わせることで生体内に近い微小環境を再現し、薬物動態評価、安全性評価、有効性評価への活用を目指している。さらに、製薬企業や大学との共同研究による評価系の確立や各種手順書の整備を進めるほか、ISOにおけるMPS関連の国際標準化活動にも参画している。
本記事は千代田化工建設株式会社および東京応化工業株式会社の発表をもとに作成。
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