川喜多財団と国立映画アーカイブが覚書締結 映画保存と未来の作り手育成で協力へ
公益財団法人川喜多記念映画文化財団と独立行政法人国立美術館国立映画アーカイブは、2026年8月4日にパートナーシップの覚書を交わしました。両者は映画や関連資料の保存・活用、公開・展示事業、国際交流事業への協力を通じて、未来の作り手と観客を育てることを目指します。戦後の映画保存活動を牽引した川喜多かしこの業績に由来するパートナーシップ関係の構築は、両者にとって初の取り組みとなります。
現在の国立映画アーカイブの前身であるフィルム・ライブラリー事業は、1952年開館の国立近代美術館において始まりました。1950年代の上映や映画収集活動が予算面などから限られていたなか、夫の川喜多長政とともに東和映画を築いた川喜多かしこが、自国映画の保存と公開の重要性を認識し、事業を支えるため1960年12月にフィルム・ライブラリー助成協議会を設立しました。同協議会は映画業界との橋渡しや収集助成を行い、1962年から63年にかけて「日仏交換映画祭」を実現させました。
1970年に事業がフィルムセンターとして美術館の一つの課になると、助成協議会はフィルム・ライブラリー協議会へと改称され、1982年に財団化されて現在の川喜多記念映画文化財団となりました。一方、東京国立近代美術館フィルムセンターは2018年に独立し、6番目の国立美術館として国立映画アーカイブとなっています。映画保存活動への川喜多かしこの貢献という観点において、両者は共に育ってきた関係にあります。
専門人材確保や事業連携を推進
今後の取り組みとして、川喜多財団からの寄附により、国立映画アーカイブは各種事業に必要な専門人材や事務職員を確保し、事業の安定的な実施を図ります。また、川喜多財団が実施する国際交流、上映、展示事業について、国立映画アーカイブが協力を行います。双方はそれぞれのミッション実現に必要な協力を行い、映画文化を担う未来の世代の育成を目指します。
両団体の代表によるコメント
公益財団法人川喜多記念映画文化財団の代表理事である武田和は、川喜多長政・かしこ夫妻の強い意志を受け継ぎ、国立映画アーカイブと共に映画文化の発展振興に向けた事業展開を進めていく方針を示しています。
独立行政法人国立美術館国立映画アーカイブの館長である栩木章は、映画アーカイブの活動が日本映画への理解やPRに寄与するという川喜多かしこの精神を受け継ぎ、映画や関連資料の保存と公開、海外発信をさらに充実させていく考えを述べています。
団体の概要
公益財団法人川喜多記念映画文化財団
- 所在地:東京都千代田区
- 沿革:1982年に財団法人川喜多記念映画文化財団として設立、2011年より公益財団法人
- 主な事業:映画資料の保存・活用、海外映画祭との連携、「鎌倉市川喜多映画記念館」の指定管理業務、顕彰事業「川喜多賞」の運営、「PFFぴあフィルムフェスティバル」「午前十時の映画祭」の主催、女性映画人の顕彰事業「川喜多かしこ映画文化賞」の立ち上げなど
独立行政法人国立美術館国立映画アーカイブ
- 所在地:東京都中央区
- 沿革:2018年に東京国立近代美術館から独立し、独立行政法人国立美術館の6番目の館として設立された日本で唯一の国立映画専門機関
- 所蔵規模:所蔵映画本数は9万本以上、図書やポスター、スチル写真などの映画関連資料は100万点以上
本記事は公益財団法人川喜多記念映画文化財団および独立行政法人国立美術館国立映画アーカイブの発表をもとに作成しています。
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