MSCの廃プラ添加剤採用、佐藤渡辺が新アスファルト混合物を発売へ
プラスチックリサイクル技術を手掛ける株式会社MSCは、家庭用プラごみのリサイクル工程で発生し、これまで焼却処分されていた残渣(ざんさ)を主原料とするアスファルト改質添加剤「Re-PAB」の製造販売を開始しました。これに伴い、道路舗装会社の株式会社佐藤渡辺が、建設業界で初めてRe-PABを採用した新アスファルト混合物「エコ・ループファルト」を発売します。Re-PABは2026年12月1日より出荷を開始し、日東商事株式会社が供給窓口となります。

家庭から分別収集されたプラスチックごみは、約半分がリサイクルしきれずに焼却や熱利用されている現状があります(※1)。MSCは、焼却処分されていたごみを段階的に活用する2つの技術を確立しました。

1つ目は、高品質再生原料「MC-Re®」による薄型フィルムの製品化です。添加剤を使用しない再生原料100%で強度を保つプラスチックバッグを実用化し、現在は未使用原料で再生原料高配合フィルムを挟む三層フィルムの開発など、社会実装に向けた準備が進められています。
2つ目は、フィルム等に再生できずリサイクル工程で余る残渣を、独自の洗浄・微粉化技術によって高品質な改質添加剤へ転換する「Re-PAB」です。この2つの連携により、選別後の容器包装プラスチックをMC-Re®の原料とし、残るリサイクル困難分をRe-PAB原料として活用することで、焼却が前提とされていたごみをほぼゼロに近づける仕組みを実現したとしています(※2)。

佐藤渡辺が開発した「エコ・ループファルト」は、アスファルト混合物1トンに対してRe-PABを1%(10kg)添加した新製品です。
本来焼却されるはずだったプラごみをアスファルト混合物内に留めて焼却回避分を相殺することにより、製造時のCO2排出量を実質的に約50%(約54kgから約27.5kgへ)削減します(※3)。また、特殊処理を施したRe-PABが補強材として機能し、重交通道路で用いられる「ポリマー改質アスファルトⅡ型混合物」と同等の耐久性(動的安定度7,800回/mm)を確認しています。既存の混合物製造設備や道路施工機械をそのまま使用できるため、特別な投資を伴わずに導入できる点も特徴です。
開発の背景と今後の展開
2026年4月に施行された「改正資源有効利用促進法」により、メーカー各社には再生原料の利用計画策定と報告が義務付けられました。アルミ蒸着などを含むプラごみは、においや物性のばらつき、微粉機におけるアルミによる刃こぼれなどが高度なリサイクルの課題となっていました。MSCは適した微粉機に関する特許(特許第7863346号)を取得し、独自の洗浄・脱水工程によってにおいを大幅に軽減した安定品質を実現しています。
佐藤渡辺では、アスファルトに加えてコンクリートにRe-PABを添加した「エコ・ループクリート」の開発も進めています。
MSC代表取締役の麦谷貴司氏は、自分が出したプラスチックごみが再び生活に戻ってくる実感こそが資源循環の力になると述べています。また、佐藤渡辺代表取締役常務執行役員の橋本秀浩氏は、実際に使用して高い強度を確認したとし、環境負荷低減とインフラの強さを両立する選択肢として育てていく意向を示しています。
発表企業について
- 株式会社MSC
宮城県仙台市に本社を置く(代表取締役:麦谷貴司)。2011年設立。プラスチック再資源化技術の開発、プラント設計、技術コンサルティング、人材教育を手掛ける。 URL: https://www.msc-co.jp/
- 株式会社佐藤渡辺
東京都港区に本社を置く(代表取締役社長:鎌田修治)。1923年創業(2023年に創業100周年)。全国67事業所で舗装・土木工事を展開し、透水性コンクリート舗装「パーミアコン」などの開発を行う。2026年7月にSBT認定を取得。 URL: https://watanabesato.co.jp
※1 出典:公益財団法人日本容器包装リサイクル協会「数字で見るリサイクルのゆくえ プラスチック製容器包装 令和7年度データ」 ※2 「ほぼ100%活用」とは、選別後の容器包装プラスチックをMC-Re®の原料とし、残るリサイクル困難分をRe-PAB原料として活用する組み合わせを前提とした表現です。 ※3 CO2排出量の削減効果は、環境省の排出係数(廃プラスチック類の焼却1トンあたり2.76トン-CO2)を前提としています。
本記事は株式会社MSCおよび株式会社佐藤渡辺の発表をもとに作成されています。
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