東京都 GEMStartup TOKYOキックオフイベント開催 150名超が集う
東京都は、民間企業で培われた技術やノウハウ、アイデアを起業や新事業創出につなげるプロジェクト事業「GEMStartup TOKYO」のキックオフイベントをTokyo Innovation Base(TIB)にて開催しました。当日は会場とオンラインを合わせて150名を超える挑戦者や支援者が集まり、実践知の共有が行われました。
基調講演には、株式会社ユニコーンファーム 代表取締役CEOの田所雅之氏が登壇しました。田所氏は、生成AIの進化に伴う現代の変化を「頭脳の革命」と位置づけ、定型業務がAIに置き換わる時代において、自ら未開の領域を切り拓く探索型のアクションの重要性を説きました。
事業創出において重要な要素として「タイミング」を挙げ、市場適合に必要な18ヶ月を見据え、現在ではなく例えば2年後の社会を予測し、需要に対して何が決定的に不足しているかを見立てる必要性を指摘しました。また、誰もが敬遠する領域に飛び込み、泥臭いコミュニケーションを通じて一次情報(暗黙知)を掴む力や、当事者性となる「実存的関心」の重要性について言及しました。

パネルディスカッションでは、ファシリテーターの松本武士氏のもと、社内起業やカーブアウトの経験者らが登壇しました。登壇したのは、日本製鉄から同社初の社内起業として株式会社KAMAMESHIを創業した小林俊氏、大日本印刷(DNP)から出向起業型カーブアウト第1号としてDigKnow株式会社を設立した伊藤悠一氏、東急不動産ホールディングス グループCX・イノベーション推進部の久保日乃氏の3名です。
議論の中では、大企業で新規事業を進める上で必要な要素として以下の点が挙げられました。
- 既存事業での成果や姿勢を通じた信頼関係の構築と、自問自答による「決断力」の訓練
- AIなどを活用して素早く試作し、現場の顧客に対話を通じてぶつける「プロトタイプ」の活用
- 挑戦者の熱意を自社の戦略と結び付けて伝える「翻訳力」
挑戦を支える企業側の仕組みと出口戦略

大企業のアセットを活用するための環境づくりについて、小林氏は社内制度がない状況から直談判した経験に触れ、トップが挑戦を応援するメッセージを発信することの有効性を語りました。

伊藤氏は、社内か社外かという明確な出口戦略と評価基準が示されていることの重要性を指摘しました。また、久保氏は、審査不通過となった場合でも検証プロセスの知見を役員向けに披露する場を設け、既存事業部へ蓄積・共有する仕掛けを実践していると紹介しました。

GEMStartup TOKYOの概要

GEMStartup TOKYOは、民間企業に眠るアイデア、人材や技術シーズを発掘することを目的とした東京都による新事業発掘プロジェクト事業です。以下の3つのプログラムで構成されています。
- 社内初期ステージゲート通過を狙う「新事業創出プラットフォーム」
- カーブアウト等事業化を狙う「事業化プログラム」
- カーブアウト等に向けた新事業創出基盤の整備・強化を狙う「連携モデル」

起業家やベンチャーキャピタリスト、専門家による講義、ワークショップ、メンタリングを通じて、イノベーション創出を支援する取り組みが進められています。
本記事は東京都の発表をもとに作成されています。
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