「昆虫食ポップコーン」を共同開発、信毎と博報堂

信濃毎日新聞と博報堂の若手クリエイターチーム「CREATIVE TABLE最高」が共同開発した、カイコ入りフライパンポップコーン『飛んで火に炒る夏の虫』が2024年4月23日に発売される。この商品は、博報堂が進める地域課題解決プロジェクト「じもシゴト」の一環として、長野県の食文化である昆虫食の啓発と地域文化の多様性を伝えるために開発された。

商品開発にあたっては、昆虫食未経験者を念頭に置き、昆虫食ならではの「体験への興味」に着目。一度は昆虫を食べたことがある人やその時にポジティブな感想を持った人を増やすことで、昆虫食の普及を目指している。

長野県では、カイコやイナゴ、蜂の子等の佃煮が日常的に食べられてきた歴史があるが、現状では昆虫食は一部の愛好者の間の嗜好品に留まっている。見た目やイメージ、独特な風味に加え、一人では口にする勇気が持てないという心理面も要因の一つとされる。

『飛んで火に炒る夏の虫』は、黒こしょうで味付けされた長野県産カイコを加えたポップコーン。友だちや家族と楽しく食べることができる商品として開発された。カイコはサクサクした食感でエビや小魚に近い風味があり、黒こしょうを利かせることでクセなく食べやすい味に仕上げられている。また、カイコはたんぱく質やオメガ3脂肪酸が豊富な食材でもある。

商品には、宮坂製糸所(岡谷蚕糸博物館内)の純国産カイコが1商品あたり約15頭使用されている。容器内のコーンがはじけ、カイコが踊るかのような様子を見ながら自分で作る体験も楽しめる。

本商品を通じて、昆虫食という食文化に縁のなかった人やネガティブに捉えていた人に「ドキドキしたけど、食べてみたら意外とおいしい!」と感じてもらえるような出会いや体験の場づくりに貢献することを目指している。