東証3市場3,684社の戦略・人事連動スコア中央値は24.5点 OPRI初公表
組織人事総合研究所株式会社(OPRI)は、事業戦略と人事の仕組みが有価証券報告書の中で結ばれている度合いを測る指標「事業戦略・人事 連動スコア」を初めて公表した。東京証券取引所のプライム・スタンダード・グロース市場に上場する国内企業3,684社(2026年7月時点)を採点した結果、100点満点中の中央値は24.5点で、最も高い会社でも63.7点だった。上場企業の57%にあたる2,087社は、人事の取り組みを記載していてもそれがどの事業戦略のためのものかを説明できていない状況が明らかになった。
調査の背景と目的
人的資本の開示は2023年3月期に義務化され、2026年3月期からは経営戦略等と関連付けた人材戦略の開示が求められている。組織人事総合研究所による「事業戦略と人事の整合性調査2026」の第2弾となる今回の調査では、東証プライム・スタンダード・グロースの3市場に範囲を広げ、事業戦略と人事の仕組み17領域の結び付きを判定した。調査対象を有価証券報告書に限定しているのは、全上場企業に法定で課され同じ様式で書かれる文書を用いて、3,684社を同じ基準で比較するためとしている。

東証3市場3,684社の戦略・人事連動スコアは、100点満点で平均25.3点、中央値24.5点、最高得点の会社で63.7点となった。分布の中心は15〜30点にあり、全体の57.3%(2,112社)を占めている。40点以上は6.4%(236社)、50点以上は0.68%(25社)にとどまり、上位10%に入る目安は37.3点、上位1%は48.0点だった。採点は単に記述の有無を見るのではなく固有性を重視しており、戦略側と人事側の記述を原文の引用で結べる場合にのみ最上段の評価を与える基準となっている。
東証3市場上場企業の57%(3,684社中2,087社)は、人事の取り組みを記載していてもどの事業戦略のためかを説明できていない。説明できている取り組みは1社あたり平均0.7個で、1つでも説明できている企業は43%(1,597社)だった。そのうちの6割(977社)は1領域のみで、3領域以上で説明できている企業は6.7%(246社)、17領域すべてで段2以上に達した企業は16社(0.43%)にとどまる。17領域の中で最も記述できていたのは育成体系・プログラムで、最も記述できていなかったのは組織設計だった。
規模や財務指標との関係
企業規模が大きく記述量が多い会社ほどスコアが高い傾向にあるものの、規模・業種・市場の違いを統計的に取り除いた場合、戦略・人事連動スコアはROE・ROA・平均年間給与とわずかに正の関係を持つ一方、売上高の成長率などの成長性とは関係が見られなかった。なお、これは相関関係であり因果関係を示すものではない。
代表取締役の中北順也氏は、スコアの数値について企業の実態の低さではなく有価証券報告書の中で結び付きが示されている度合いであるとした上で、財務指標との関係も相関であり因果関係を示すものではないと述べている。
調査概要
- 調査名: 事業戦略と人事の整合性調査2026 第2弾(組織人事総合研究所(OPRI)調べ)
- 対象: 東京証券取引所プライム・スタンダード・グロース市場に上場する国内企業3,684社
- 資料: 各社の直近の有価証券報告書(2026年7月時点・EDINET)/財務データ: J-Quants(株式会社JPX総研)
- 方法: 人事の仕組み17領域それぞれについて、その領域の記述が自社の事業戦略から導かれていると読めるかを段0〜4の5段階で判定し、100点満点に換算
- 発行: 2026年9月
本記事は組織人事総合研究所株式会社の発表をもとに作成。
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