新政権に求める経済政策、中小企業支援が最多
帝国データバンクは、企業が新政権に求める経済関連政策についてアンケートを実施した。調査期間は2024年9月6日から10日で、有効回答企業数は1,966社だった。
アンケートの結果、新政権に求める経済関連政策として、「中小企業向け支援策の拡充」が47.2%でトップとなった。次いで、「物価高対策」が43.8%、「個人消費の拡大策」が43.6%、所得税や消費税などを含む「個人向け減税」が41.2%と、個人消費を促す政策が上位を占めた。
規模別に比較すると、中小企業では「中小企業向け支援策の拡充」および「法人向け減税」が大企業よりも10ポイント以上高い結果となった。一方、大企業では「人手不足への対応」や人材育成、働き方改革などの「雇用対策」といった、人材確保・定着に関連する政策を求める割合が中小企業を5ポイント以上上回った。
業界別では、建設業界で「人手不足への対応」が高く、製造業と運輸・倉庫業では「価格転嫁対策」が目立った。小売業では「個人消費の拡大策」が最も高い項目となっている。
アンケートでは、5割近くの企業が新政権に「中小企業向け支援策の拡充」を求めていることが明らかになった。先日の帝国データバンクの調査でも、「岸田政権下では、中小企業は厳しかった」といった声が寄せられており、多くの企業が中小企業支援策を強く求めている。
現在、十分な価格転嫁ができない企業が多く、消費マインドの冷え込みなど厳しい経営環境が続くと考えられる。また、人手不足や2024年問題など構造的な課題も抱えており、多岐にわたる経済関連政策の実施が必要とされている。新政権には、有効な対策を早急に講じ、力強い景気の好循環が生まれる環境を整備することが求められている。