自動車廃材を工芸品に、トヨタと宮城県がアップサイクルで地域貢献
トヨタ自動車と宮城県が共同で、自動車の廃材を活用した工芸品・美術品の製作に取り組んでいる。この取り組みは、トヨタが推進する「もっといいクルマづくり」の一環として、廃材をアップサイクルすることで地域に貢献することを目的としている。
トヨタ社内の構造デザインスタジオでは、「捨てるところのないクルマづくり」を推進しており、リサイクルできない素材は付加価値をつけて新たな製品や作品へと生まれ変わらせるアップサイクルの仕組みづくりに取り組んでいる。これらの活動を総称して「Geological Design(ジオロジカルデザイン)」と呼んでいる。
今回、トヨタが提供した自動車廃材の鉄とガラスを、宮城県内の職人・アーティストが活用し、包丁やグラス等の工芸品・美術品を製作した。鉄の廃材は、中新田打刃物を手掛ける石川刃物製作所が包丁に加工。自動車とは関係が薄いと思われていた「味覚」を創り出す取り組みに、石川氏は非常に面白みを感じたという。一方、ガラスの廃材は、独創的な作品を手掛ける海馬ガラス工房が、グラスやアート作品に活用した。村山氏は、工業的素材であるガラスに新たな表現の可能性を探れればと考え、取り組みに参加したと述べている。
トヨタでは今後も、環境にいいクルマづくりに取り組むと共に、地域の伝統的な工芸品・美術品の知名度向上や産業振興等への協力による地域貢献を通じて「町いちばんの会社」を目指していく方針だ。