中小企業の業況、3期連続で低下

2024年1-3月期の中小企業の業況判断DIは、全産業でマイナス18.3となり、前期比3.5ポイント減少した。これは3期連続の低下であり、製造業、卸売業、サービス業、小売業、建設業のすべての産業で低下が見られた。これらのデータは、独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が2024年3月に行った調査によるものだ。

産業別の業況判断DIを見ると、製造業はマイナス19.9となり、前期比4.8ポイント減少。これは2期ぶりの低下だ。非製造業では、卸売業がマイナス15.1(前期比4.8ポイント減)、サービス業がマイナス11.7(前期比4.5ポイント減)、小売業がマイナス28.4(前期比2.0ポイント減)、建設業がマイナス14.5(前期比1.6ポイント減)と、全ての産業で低下が見られた。

また、原材料・商品仕入単価DIも全産業で67.1となり、前期比3.8ポイント減少。これは2期連続の低下で、卸売業、製造業、小売業、サービス業、建設業のすべての産業で低下が見られた。

この調査は、全国の商工会、商工会議所の経営指導員、及び中小企業団体中央会の情報連絡員が訪問面接し、聴き取りによって実施された。調査対象は、中小企業基本法に定義する全国の中小企業で、調査対象企業数は18,832、有効回答企業数は17,802、有効回答率は94.5%だった。

中小機構は、中小企業の景況を把握し、中小企業施策立案の基礎資料を収集することを目的に、四半期に一度、全国商工会連合会、日本商工会議所及び全国中小企業団体中央会の協力を得て、産業別、地域別等に算出する景況調査を実施している。約80%が小規模事業者、うち、約50%を個人事業主が占める、日本の中小企業の実態を踏まえた、1980年から40年以上続く調査である。

中小機構は、事業の自律的発展や継続を目指す中小・小規模事業者・ベンチャー企業のイノベーションや地域経済の活性化を促進し、我が国経済の発展に貢献することを目的とする政策実施機関だ。経営環境の変化に対応し持続的成長を目指す中小企業等の経営課題の解決に向け、直接的な伴走型支援、人材の育成、共済制度の運営、資金面での各種支援やビジネスチャンスの提供を行うとともに、関係する中小企業支援機関の支援力の向上に協力している。