糸島で産官民連携、Jブルークレジット取得へ
株式会社ヴェントゥーノは、糸島漁業協同組合と糸島市役所と共同で、2025年度のJブルークレジット認証・取得に向けた「Jブルークレジット取得検討会」を2024年10月21日に開催した。この検討会は、福岡県内の産官民の3社連携としては初の取り組みとなる。
ヴェントゥーノは2021年6月に糸島漁業協同組合と「ブルーカーボン推進における地域貢献協定」を締結しており、海藻養殖をきっかけとした磯焼け対策とブルーカーボン創出に繋げるモデルケースの確立を目指している。今回の検討会では、この協定の進捗として、Jブルークレジット認証・取得までの実地調査などのロードマップが公開された。
検討会では、ヴェントゥーノの中野勇人代表取締役社長、糸島漁業協同組合福吉地区の坂本政彦代表理事、糸島市の馬場貢副市長がそれぞれステートメントを発表した。
中野社長は、未利用だったメカブを継続的に購入することで、ワカメ養殖業の収入安定化や生産効率の向上に寄与し、磯焼け対策とブルーカーボンの創出に繋げる環境と経済両軸に貢献するモデルケースの確立を目指すと述べた。
坂本代表理事は、磯焼けによる藻場の減少が漁獲量の減少につながる深刻な問題であると指摘。海藻養殖によるブルーカーボンの推進と、それがクレジット化により漁師の収益になることが、漁師という仕事へのやりがいにつながると語った。
馬場副市長は、Jブルークレジット取得による環境価値の創出が水産業の課題解決につながることや、市内初のクレジット化事例としての大きなPR効果を期待していると述べた。
ヴェントゥーノは、もずくやメカブなどの海藻に含まれるフコイダンに着目し、九州大学や医療機関などと共同研究を進めながら商品開発を行ってきた。同社は「海藻の可能性でイノベーションを起こし、人と海が美しい未来をつくる。」をパーパスに掲げ、美と健康のサポート、そして社会課題の解決を目指した事業展開を行っている。