Dellows News

薬剤師の75.4%がAI活用に賛成も実際の現場活用は39.4% マイナビ調査

株式会社マイナビが運営する医療機関、薬局、介護事業者向け経営・採用支援メディア『マイナビ メディカルサポネット』は、薬剤師人材紹介サービス『マイナビ薬剤師』の登録会員を対象に実施した「薬剤師白書2026年版」の結果を発表しました。

調査によると、薬剤師の75.4%が業務におけるAI活用に賛成しているものの、実際に現場で活用している割合は39.4%にとどまる実態が明らかになりました。また、オンライン服薬指導に対しては6割以上がポジティブに評価している一方で、精神面や時間面でゆとりがないと感じている薬剤師が約6割に達しています。

AI活用賛成は75.4%も実際の現場活用は39.4%にとどまる

薬剤師としての業務経験がある人に対し、業務においてAI活用を積極的に進めるべきかを聞いたところ、「そう思う(計)」が75.4%となりました。一方、現在薬剤師として業務をしており、実際にAIを活用している人は39.4%となり、AI活用に前向きな姿勢と実際の業務での活用状況との間に差が見られる結果となっています。

実際にAIを活用している業務内容としては、「薬歴・記録業務」が50.9%で最も高く、次いで「処方内容の確認・監査(33.9%)」、「在庫管理・発注業務(25.0%)」が続いています。記録業務や正確性が求められる処方内容の確認・監査、在庫管理などの管理事務作業を中心にAIが活用されている傾向がうかがえます。

AI活用による仕事の価値変化は意見が分かれる

現在就業している薬剤師に、AIの活用拡大によって薬剤師の仕事の価値がどのように変化するかを尋ねたところ、価値が「高まる(計)(31.3%)」、「変わらない(35.6%)」、「低下する(計)(33.1%)」と回答が分かれました。なお、AI活用者においては「高まる(計)」が35.7%となり、AI非活用者を7.2pt上回っています。

価値が高まる理由としては、AIによる業務効率化によって患者対応や専門的な判断に時間を割けるようになることや、医療の質の向上への期待が挙げられました。一方で、薬剤師の必要人数への影響や患者が薬剤師へ相談する機会の減少など、仕事の価値低下を懸念する声もみられました。

ヘルスケアソリューション事業本部 事業戦略部門統括長の長澤圭祐は、回答者の声からAIは業務を代替するものではなく、業務効率化を通じて患者対応や専門性の高い業務を支援するツールとして期待されていると分析し、今後は業務体制や運用ルールの整備に加え、教育や支援体制の充実が求められるとしています。

パソコンやスマートフォン等の情報通信機器を活用して実施する服薬指導(オンライン服薬指導)について、薬剤師の仕事の視点からの評価を聞いたところ、「ポジティブに評価している(計)」が60.7%となり、「ネガティブに評価している(計)」の8.0%を大きく上回りました。

ポジティブな理由としては、患者の来局負担の軽減や地域による医療アクセスの差の縮小、働き方の選択肢拡大への期待が挙げられています。一方、ネガティブな理由としては、コミュニケーションの難しさや画面情報で得られる情報の限界、薬の受け渡しに伴う安全面への懸念などが示されました。

精神的・時間的なゆとりがない薬剤師が約6割

現在働いている薬剤師を対象に各種の「ゆとり」について調査したところ、「精神・心理面のゆとりがない(計)」が59.2%で最多となりました。これに「時間的なゆとりがない(計)(58.1%)」、「体力・健康面のゆとりがない(計)(54.6%)」、「経済的なゆとりがない(計)(48.2%)」が続いており、精神面や時間面で余裕のない就業実態が浮き彫りとなっています。

調査概要

  • 調査期間:2026年6月22日(月)~2026年7月16日(木)
  • 調査方法:マイナビ薬剤師の登録会員に調査票の入力フォームをメールにて送信し、オンラインにて入力された回答を回収
  • 調査対象:薬剤師人材紹介サービス『マイナビ薬剤師』登録会員
  • 有効回答数:313名<就業者(フリーランス除く)284名・非就業者で転職活動中の人29名>
  • 補足:調査結果は、端数四捨五入の関係で、内訳と合計が一致しない場合があります。
  • 調査結果詳細:https://medical-saponet.mynavi.jp/news/data_pharmacist_yakuzaishi-hakusyo/detail_wp2026-ph/

本記事は株式会社マイナビの発表をもとに作成しました。

アクセスランキング

今日

1週間